1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450229
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大谷 義近 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60245610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北上 修 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (70250834)
島田 寛 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00006157)
深道 和明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005969)
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Keywords | 交換結合 / 磁区構造 / 強磁性微粒子格子 / 強磁性細線 / 反強磁性磁壁 / 磁気抵抗 / 反強磁性体 |
Research Abstract |
本年度は、交換結合積層膜のモデルシステムの作成と既存の装置を用いた磁気特性評価を中心に研究を遂行した。界面結合部分での結晶構造の整合性、反強磁性層の磁気構造、ネ-ル温度、交換定数や結晶磁気異方性等の物理因子を考慮して、酸化物と遷移金属合金の代表的な反強磁性体の中からNiOとCr系合金、強磁性層としてパ-マロイ(Fe_<20>Ni_<80>)を用いて試料作製を行った。基板材料として、反強磁性体との不整合の少ないMgOまたはSi単結晶を用いた。MgO(111)単結晶基板上にNiO(111)エピタキシャル成長させる最適条件を決定した後、更にその上にパ-マロイをエピタキシャル成長させた。同様にCr系合金についてもMgO(100)またはNaCl(100)単結晶基板上にエピタキシャル成長させ、その上にパ-マロイをエピタキシャル成長させた。これらの積層膜の構造解析(両層の結晶方位関係、結晶粒サイズ等)を研究分担者と協力して薄膜X線解析装置、原子間力顕微鏡や電子顕微鏡を用いて行った後、極微細加工法を用いてミクロンサイズからサブミクロンサイズの微小交換結合積層構造を作製した。これらの試料について、既存の磁気抵抗測定装置と磁気力顕微鏡を用いて高精度磁気抵抗測定及び磁区構造観察を行った。その結果、交換結合に対するサイズ効果が1ミクロン以下で顕著になることがわかった。 上述の予備実験と並行して、新規購入した試料共振型磁力計の立ち上げ作業を行い、SQUID磁力計に匹敵する感度を有すること、印加磁場方向に対して平行と垂直の両磁化成分を回転磁場中で同時に測定できること等の性能確認を行った。 以上の結果を基に、4件の学会発表と4件の論文発表を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大谷 義近: "Cr_<70>Al_<30>/Fe_<19>Ni_<81>2層膜における交換結合磁場と結晶粒径" 日本応用磁気学会誌. 21-5. 911-914 (1997)
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[Publications] Y.Otani: "Effect of antiferromagnetic grain size on exchange-coupling field of Cr_<70>Al_<30>/Fe_<19>Ni_<81> bilayers" Appl.Phys.Lett.71-9. 1258-1260 (1997)
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[Publications] 大谷 義近: "メゾスコピック磁性体における磁壁と伝導" 固体物理. 33-2. 113-119 (1998)
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[Publications] Y.Otani: "Effect of buffer layer on antiferromagnetic grain size and exchange-coupling field of Cr_<70>Al_<30>/Fe_<19>Ni_<81> bilayers" J.Magn.Magn.Mat.(印刷中). (1998)