1998 Fiscal Year Annual Research Report
強い表面磁気異方性を持つ合金微粒子の合成と新磁気機能性の研究
Project/Area Number |
09450231
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島田 寛 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00006157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 義近 東北大学, 工学部, 助教授 (60245610)
北上 修 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (70250834)
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Keywords | 超微粒子 / 超常磁性 / 表面磁気異方性 / 磁区観察 / 強磁性体 |
Research Abstract |
強磁性体は、そのサイズがnm付近に近づくと熱擾乱(超常磁性)が起こり、強磁性体材料としての機能を失う。本研究では、強磁性体微粒子の合成法を開発し、高分解能磁区観察法に応用するためにスパッター法によるnmサイズの微粒子合成法、合金化による高磁気エネルギー化、表面磁気異方性の解明と高磁気エネルギー化を研究した。先年度は、Co微粒子について、数10nm以下ではfcc相が安定になり、より大きいサイズではhcp相が安定相、また数10nm以下でも準安定相としてhcp相が得られること、さらにこれらの形成機構は、各微粒子結晶形態の表面エネルギーで説明できることを示した。 本年度は、Co-pt合金微粒子について、hcp相が高体積率で得られること、また、その粒径依存性を見ると、これまでの単純な超常磁性理論では説明できない高い抗磁力を示すことがわかった。これは、Co-Pt単結晶薄膜の磁気異方性測定結果から得られる結晶磁気異方性では説明出来ない大きさであり、表面磁気異方性の存在を示唆するものであるが、同時に考えられる双極子相互作用を取り除くために、孤立した微粒子集団についてその相互距離を制御して磁化過程を調べた。その結果、双極子相互作用により抗磁力は上昇するが、Co-Ptの抗磁力を説明できるほどの効果でないことがわかった。 また、強い表面磁気異方性が期待できる希土類-遷移金属合金の微粒子を作成し、その磁気的性質を調べたが、酸化の進行による特性の変化が起こった。そこで、微粒子を被覆する技術を開発し、酸化の進行を非常に遅くすることができた。現在、TbFe2の微粒子を作成中である。 以上の実験の成果は以下のようになる。 1) hcp相Co-Pt微粒子は非常に高い抗磁力を持ち、表面磁気異方性の効果がある。 2) 希土類-遷移金属の微粒子を安定化し、磁気特性を調べることが可能になった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 北上 修 他: "気相凝縮法で形成したコバルト微粒子の結晶構造" 日本金属学会報. 37. 189-195 (1998)
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[Publications] C.Chen et.al.: "Particle size effects and surface anisotropy in Fe based granular films" Journal of Applied.Physics.84. 2184-2189 (1998)
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[Publications] Osamu Kitakami et.al.: "Effects of Pt and Ta on the magnetic anisotropy of Co and Co-Cr thin films" J.Magnetism and Magnetic Materials.(in press).