1999 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロセラミックスの化学的誘起粒界形成のダイナミクスのその場観察と形成機構
Project/Area Number |
09450242
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 惟恭 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60016558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇谷 尚樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40251623)
篠崎 和夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00196388)
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Keywords | エレクトロセラミックス / 微構造 / 液相 / 粒界形成ダイナミクス / 薄膜 / バリスタ / 酸化亜鉛 / 酸化ジルコニウム |
Research Abstract |
今年度は3年間の最終年度であることから、ZnO-PrOx系バリスタの粒界での化学的現象と、粒界に液相が存在する場合の焼結や粒成長などの動力学的ダイナクスのレビューを行った。 ZnOの表面にPrOxのペレットを重ねて焼結すると、ZnO焼結体の粒界部にPrOxとZnOが共晶を作り、液相を生成して粒界に侵入していく。この現象は焼結体表面から下部に向かってほぼ均一に進行する。このようにして作製された粒界層修飾型ZnOのバリスタ特性はPrOx-ZnO粉末の混合粉焼結と同様の性能を示した。すなわち、非直線係数は12〜58あり、アニール時間を長くしたり、アニール温度を高くするとブレーク電圧が上昇した。これらはZnO粒界中へのPrOxの拡散と関係している。CoOをドープすると、純粋なZnO試料に比べて、粒界層の形成が速くなった。これらは液相生成温度以上での熱処理による電気的活性粒界の量の増大が、ZnOバリスタのドナー密度を減少させ、バリスタ電圧の増加に寄与している。このような手法により、ZnO焼結体の一部にバリスタ特性を発現されることも可能となる。 一方、ZnO粒界に存在するPrOx間には固相界面を介しての出入りがあることが判明した。ZnO,PrOxおよび両者の混合粉体のTG 測定からZnO中の過剰亜鉛量から求められる酸素量よりもより多くの酸素の移動が分かり、ZnO-PrOx界面で酸化還元反応が起こっている。 AIN,NbドープSrTiO_3,PMNリラクサー,ZnOバリスター系の粒界に生成する微少量の液相が単に液相焼結の役割だけでなく、酸素イオンの出入りなど他の現象も同様に起こっていることをレビューした。
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[Publications] A.Saiki,H.Funakukbo,N.Mizutani,K.Shinozaki,T.Bak,J.Nowotny et al.: "Charge Transfer between Oxygen and Zirconia"J.of Thermal Analysis and Calorimetry. 57. 875-881 (1999)
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[Publications] Sung-Yong Chun,Kazuo Shinozaki and Nobuyasu Mizutani: "Formation of Varistor Characteristics by the Grain-Boundary Penetration of ZnO-PrOx Liquid into Zno Ceramics"J. Am. Ceram. Soc.. 82. 3065-3068 (1999)
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[Publications] N.Wakiya,S.Y.Chun,K.Shinozaki and N.Mizutani: "Redox reaction of Praseodymium Oxide in the ZnO Sintered Ceramics"J of Solid State Chem.. 149. 349-353 (2000)
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[Publications] 篠崎和夫,水谷惟恭: "微量液相焼結による電子セラミックスの機能発現"セラミックデータブック'99工業と製品. 27. 185-189 (1999)
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[Publications] Sung-Yong Chun,Kazuo Shinozaki and Nobuyasu Mizutani: "Electrically active grain boundaries ZnO varistors by Iiquid-infiltration method"J. Mater. Sci: Materials in Electronics. 11. 73-80 (2000)