1999 Fiscal Year Annual Research Report
金属の瞬間的合金化プロセスの解明と接合、合金化、表面改質の技術開発
Project/Area Number |
09450245
|
Research Institution | 神戸商船大学 |
Principal Investigator |
佐野 幸雄 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (40029517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 晃久 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (50221726)
|
Keywords | 合金化 / 拡散過程 / 合金波 / 熱波 / ジュール熱 |
Research Abstract |
本研究の目的は,金属の合金化に関して低コストで高生産性の技術を開発することである.この目的に合致する生産速度の速い挿入接合法方式を採用した.本方式では,合金化の最適条件の解明が最重要課題である.最適条件の探求には,衝撃波現象の解明や衝撃波の熱力学など基礎的研究を通じて,合金生成プロセスの解明が不可欠である.合金生成プロセスの解明には熱波や合金波の理論解析及び計測が必要である. 今年度の研究の第一の目的は,高速現象の熱力学や熱波伝播過程の理論モデルに関する研究をさらに進めることであった.不可逆熱力学式を高速現象に適用できることを,衝撃波頭内温度分布の推定に関する理論的研究(一部は日本機械学会論文集に投稿中,一部は投稿予定)において明らかにした.構成式を用いる熱波伝播過程の理論モデルを構築した.本モデルにおいて,合金化される金属は弾性体で均質,等方性とし,材料定数は温度及びひずみ速度に依存しないと仮定する.用いた一組の式は,運動方程式,構成方程式,熱流速速度方程式,エネルギ方程式である.アルミニウム(被合金)棒の端面に温度のステップ関数を与えて解析したところ,端面から内部にナノメートルのオーダしか熱波が伝播しなかった.このことから,挿入粉末金属原子のアルミニウム棒内への熱拡散なしに,熱波や合金波が端面から深く進まないことが分かった.故に,熱拡散を考慮に入れた理論モデルの構築と被合金棒に接する挿入金属粉末の温度・時間履歴の計測が,今後必要である.第二の目的は,熱波伝播過程を計測することであった.熱伝対を用いた,温度・時間履歴と熱波伝播過程を計測する装置を製作しつつある.
|