2000 Fiscal Year Annual Research Report
金属の瞬間的合金化プロセスの解明と接合,合金化,表面改質の技術開発
Project/Area Number |
09450245
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Research Institution | Kobe University of Mercantile Marine |
Principal Investigator |
佐野 幸雄 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (40029517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 晃久 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (50221726)
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Keywords | 合金化 / 合金生成過程 / 合金生成メカニズム / 合金波 / 熱波 / ジュール熱 / 不可逆熱力学 |
Research Abstract |
Al母材-Ni粉末-Al母材の合金化実験の結果に基づいて,次のように合金生成の過程とメカニズムを推論した.粉末部の電気抵抗は金属棒の電気抵抗よりもはるかに大きいので,ジュール熱はほとんどNi粉末内で発生し,まず粉末を溶かす.それから溶融粉末と接触しているAl棒の領域が溶融し,Ni原子とAl原子の局所的スケールの混合が起こる.混合部とAl棒の境界面は溶融が終わるまで棒を通って近似的に一次元平面波として伝播する.合金が生成される前に拡散過程があり,伝播過程の初期段階において混合部でAl_3NiとAl_3Ni_2の生成が,後期段階において混合部でAl_3Ni_2からAl_3Niへの変化と境界面でAl_3Niの生成が支配的である.合金生成の過程とメカニズムをAppl.Phys.Lettersに投稿する準備にとりかかつている.推論した合金生成過程が妥当かどうかを確かめるために,熱波の解析を試みた.Al棒の端面に温度のステップ関数を与えたところ,熱波はナノメートルのオーダしか伝播しなかった.このことから,推論した合金生成過程が妥当であることが分かった.熱波の解析を日本機会学会論文集に投稿中である.不可逆熱力学がAl中の衝撃波頭内の高速熱流に適用可能であったので,熱波伝播過程にも適用可能であることが分かった.衝撃波頭内の高速熱流は日本機会学会論文集とJ.Appl.Phys.にすでに掲載された.以上から,今後,拡散と混合を考慮に入れた理論モデルを構築することが必要である.また,合金生成過程を実験で検証するために,Al棒内の温度-時間履歴の計測が必要である.理論モデルの構築とAl棒内の温度-時間履歴の計測を行いつつある.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐野幸雄: "定常衝撃波頭内温度分布の推定(第1報,理論の構築)"日本機械学会論文集(A編). 66-649. 117-122 (2000)
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[Publications] 佐野幸雄: "定常衝撃波頭内温度分布の推定(第2報,多衝撃Hugoniolへの適用)"日本機械学会論文集(A編). 66-649. 123-129 (2000)
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[Publications] Yukio Sano: "Estimate of temperature distributions in steady-plane-wave fronts using a Hujoniot function"Journal of Applied Physics. 89-1. 105-114 (2001)