1998 Fiscal Year Annual Research Report
シラノール基を含む有機-無機複合材料の機械的特性と生体適合性の評価
Project/Area Number |
09450246
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
尾坂 明義 岡山大学, 工学部, 教授 (20033409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 聡 岡山大学, 工学部, 講師 (20263618)
大槻 主税 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (00243048)
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Keywords | 有機・無機複合材料 / 生体活性材料 / 細胞適合性 / 機械的特性 / 有機修飾セラミックス / 細胞培養 / アパタイト / シラノール基 |
Research Abstract |
現在の医療において用いられている従来の軟組織代替材料はいずれも生体不活性であるために,体内に埋入された際,周囲の生体組織から隔離され,所定の部位に固定され難く,しばしばずれによる疼痛や出血を引き起こすので,臨床使用における問題となる。この問題点を解決するためには,軟組織と同等の柔軟性を有する事に加え,人の組織と直接結合する性質を示す材料が望まれている。本研究は,生体活性な有機-無機複合材料の合成及び力学的性質の制御ならびに細胞・組織適合性に与える材料の微構造の影響を明らかにすることを目的とする。前年度の結果,高い生体活性を示すことが明らかになった組成について,複合体を合成した。テトラエトキシシラン(TEOS:(C_2H_5O)_4Si),及びポリジメチルシロキサン(PDMS:[-Si(CH_3)_2O-]_n)を出発原料に,イソプロビルアルコール(C_3H_7OH),テトラヒド口フラン(THF)及び蒸留水(H_2O)を溶媒として用い、これにカルシウム源として硝酸カルシウム(Ca(NO_3)_2)及び触媒として濃塩酸(HCl)を加え,70〜80゚Cで撹拌しながら還流することによって得られた溶液を所定の温度でゲル化させ試片を得た。得られた複合体を40℃にて乾燥させた後,固体^<29>SiMAS-M徂でSi元素周囲の局所構造を調べた。生体活性が確認された試片のゲル表面及び破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、単位面積あたりに導入されたCa量が多く、気孔率及び比表面積を多機能型自動表面積測定装置を用いて測定した結果、比表面積及び気孔率も大きいことがわかった。現在、高い機械的特性と生体活性の発現が期待される試片について、所定の大きさの試験片を滅菌処理を施した後,培養液中で試料表面に骨芽糾胞の生育を試みており、試判の細胞適合性の検討を継続中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Tsuru他: "Ultrasonic Implantation of Calcium Metasilicate Glass Particles into PMMA" J.Mat.Sci.:Mat.Med.9. 479-484 (1998)
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[Publications] K.Tsuru他: "Bioactivity of Organically Modified Ceramics Film Coated on Polymer Substrate" Bioceramics. 11. 423-426 (1998)