1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450248
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
廣田 健 同志社大学, 機能分子工学科, 助教授 (30238414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 修 同志社大学, 工学部・機能分子工学科, 教授 (40097861)
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Keywords | スーパーセンダスト / アグネシウムフェライト / コンポジット / 磁性材料 |
Research Abstract |
高機能の電子機器用磁性材料には,電気抵抗が高く高磁束密度でかつ高透磁率の特性が要求され,今までに2つの研究例が報告されている.(1)磁束密度が高い金属磁性材料のセンダスト(Fe-9.6Si-5.5Al(wt%))粒子の表面にAl_2O_3薄膜を形成した後に加圧焼結して緻密化した“ナノコン"材料と(2)Al_2O_3薄膜で被覆したセンダスト粒子と高電気抵抗の磁性材料であるNi-Znフェライトとの加圧焼結によって作製した複合材料である.Al_2O_3薄膜は化学的に安定で電気的絶縁性であるため(1)においては金属伝導性のセンダスト粒子を相互に絶縁し,(2)では焼結時の合金-酸化物間の固相反応(センダストの成分中最も解離圧の低い金属Alによるフェライトの還元と分解)を防止するものである.しかしながらAl_2O_3は脆性であるため,加圧焼結時のセンダスト粒子の塑性変形に追従できずに薄膜は破壊され,緻密化するほど(1)では絶縁性が低下し,(2)では,Al_2O_3薄膜の破壊箇所で合金とフェライトが直接接触するため,フェライトの分解が生ずるので,磁気特性が劣化する.このように複合材料の作製においては,緻密化と固相反応の防止を同時に達成することは困難であった.そこで本研究ではこの課題を解決するため,センダストよりもAl成分が少なく,かつ高い飽和磁束密度を有するスーパーセンダスト(Fe-6.0Si-4.0Al-3.5Ni(wt%))と,Ni-Znフェライトよりも酸化還元平衡が安定なMg-フェライトを採用し,焼結方法としては加圧しながら短時間で加熱昇温して緻密化できる放電プラズマ焼結を用いて複合材料を作製することを試みた.その結果,Al_2O_3薄膜を形成せずにフェライトが分解しない緻密な複合材料が得られ,金属磁性材料と同等以上の高磁束密度と金属よりも10^4倍以上高い電気抵抗率を示す複合材料を作製することができた.
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