2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450248
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
廣田 健 同志社大学, 工学部, 助教授 (30238414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 修 同志社大学, 工学部, 教授 (40097861)
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Keywords | スーパーセンダスト / マグネシウムフェライト / コンポジット / 傾斜機能材料 / 微小X線回折 / 残留応力 |
Research Abstract |
本年度は,昨年に引き続き金属磁性材料として飽和磁束密度B_s=1.42(T)のスーパーセンダスト(86.5Fe-6Si-4Al-3.5Ni(重量%))と高電気抵抗の酸化物磁性セラミックスとしてマグネシウムフェライト(MgFe_2O_4)を選び,組成が連続的に変化する傾斜機能材料(FGM)を作製した.成形体の作製はスーパーセンダスト/MgFe_2O_4=50/50体積%の混合粉体を,グリセリン/エタノール=60/40,50/50,40/60体積%の三種類の混合溶液に入れてスラリー粘度を調製した後,加圧軸の上下方向に有機溶媒のみを通過させるフィルターを入れた湿式成形金型を用いて行った.大気中でホットプレスすることにより,成形体の組織を維持したまま有機溶媒を除去した後,大気中850℃で5分間,超硬合金製の金型を用いて98MPa圧力下で放電プラズマ焼結を行い,緻密なコンポジット磁性材料を作製した.この焼結条件は金属を酸化させず又フェライトも還元させないで緻密化させることができるものである.焼結体の垂直断面を鏡面研磨した後,ナイタールでエッチングし,SEM観察,微小X線回折,X線回折による表面の応力解析を行った.比較のため,各層の組成がそれぞれスーパーセンダスト/MgFe_2O_4=90/10,70/30,50/50,30/70,10/90体積%となるように乾式混合して調製した積層型のFGMも同一条件で作製した.その結果,グリセリン/エタノール=50/50及び40/60体積%の有機溶媒を使用した時,なだらかな傾斜組成を示すコンポジット磁性材料が得られた.残留応力は積層型FGMで112MPa,連続型FGMで38MPaの値が得られ,湿式成形により残留応力の小さい高い磁気特性(高透磁率)が期待されるコンポジット磁性材料が得られることがわかった.
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