1997 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼合成の超高発熱・高速反応による急峻な物質生成過程の評価と特異無機生成物
Project/Area Number |
09450249
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
大柳 満之 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (30213888)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻上 哲也 龍谷大学, 理工学部, 助手 (80243179)
西原 弘訓 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (90107441)
小泉 光恵 龍谷大学, 理工学部, 名誉教授 (80029826)
|
Keywords | 燃焼合成 / セラミックス / 金属間化合物 / 複合材料 / 動的圧縮 / 非平衡 |
Research Abstract |
超高速昇温過程で起こっている反応の動力学的解析を行い、化合物生成過程の機構を解明した。反応中に起こっている基本的な現象を理解するためには、最も簡単なモデルを考えることが必要である。本年度は、フーリエの熱伝導方程式とアレニウス式から構成される自己伝播発熱反応モデル式を基本として、反応の動力学的解析を行った。実験で得られた反応パラメータと比較しながら、反応の機構に関する理論的評価を行った。具体的には、反応層が定常伝播する単純な固体燃焼反応に関する微分方程式モデルを構築し、その数値計算により伝播過程を解析した。Ti-C系燃焼合成反応において、定常状態の反応における一本の温度プロフィールから、見かけの活性化エネルギーを決定することができた。燃焼波先端の反応は、主に反応初期と中・後期に区別できた。比較的炭素粒径が小さいとき(7μm)の活性化エネルギーは、反応初期では79kJ/molを示し、反応中・後期では365kJ/molを示した。この値と文献値の比較から、反応初期では溶融チタンへの炭素の溶解が反応を律速にし、反応中・後期では生成物炭化チタン層を通しての炭素の拡散が反応を律速にすることがわかった。また、比較的炭素粒径が大きいとき(30μm)の活性化エネルギーは、反応初期では267kJ/molを示し、反応中・後期では428kJ/molを示した。原料炭素の一部を真球炭素に置換(50wt%)した場合、真球炭素7μmのときには、生成物組織に真球炭素の痕跡が残されておらず、真球炭素30μmのときには、明らかに痕跡が残されていた。これらの結果から、炭素粉末粒径の増大に伴って、炭素粒の周囲に析出した生成物炭化チタン層を通しての炭素の拡散が、反応を律速にすることがわかった。また、希釈剤を添加した反応系(0〜20wt%)においては、希釈剤の添加量の増加に伴って、炭素の拡散過程が支配的に働くことがわかった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Manshi Ohyanagi, et al.: "Graded dispersion of diamond in TiB2-based cermer by SHS/dynamic pseudo isostatic compaction (DPIC)" Functinally Graded Materials,Elsevier Science B.V.289-294 (1997)
-
[Publications] E.A.Levashov et, al.: "SHS-A new technological approach for creation of novel multilayered diamond-containing materials with graded structure" Functionally Graded Materials,Elsevier Science B.V.283-288 (1997)