1997 Fiscal Year Annual Research Report
短繊維強化アルミニウム合金基複合材料のプリフォーム構造制御による高機能化
Project/Area Number |
09450251
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅沼 克昭 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (10154444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雅博 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60291449)
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Keywords | 複合材料 / アルミニウム合金 / 短繊維強化 / プリフォーム / アルミナ / 焼結 |
Research Abstract |
本年度は,γアルミナ微粉末添加によるアルミナ短繊維プリフォーム製造と特性評価,更にS_iC粒子/純Al複合材料のためのS_iCプリフォーム焼結と複合材特性の評価を行った. 原料にはSaffil短繊維,マトリックスには6061アルミニウム合金とし,繊維体積率は20vol%に固定した.プリフォームのバインダーにはγアルミナ微粉末を用い,予めX線により焼成による変態条件を求めたところ,1000^○C近くからθ相-α相へと相変化し,低温焼結が充分可能である事が分かった.一方,Saffilは,1200^○C程度からδ相からα相への相変化を生じ,耐熱温度は1300^○Cであると決定した.そこで,以下の実験ではプリフォーム焼結を1200^○Cに設定した. プリフォーム状態のSEM観察から,比較作製したシリカを用いた従来のプリフォームでは繊維間の結合が接触部分でのみ生じるのに対し,γアルミナ微粒子添加では,微粒子が繊維の接するコーナー部分を埋めるように補強しており,プリフォームの強化に大きく貢献している.プリフォームの圧縮強度を評価したところ.シリカを用いたプリフォームの強度が約0.1MP_aであるのに対し,γアルミナ微粉末添加焼結をしたものは9MP_a程度の強度を示し,約10倍の強化が為されることが分かった.また,後者の場合特徴的なのは,前者が降伏後応力上昇がほとんど無く破壊が進行するのに対し著しい応力増加が認められ,一種の加工効果を示すことが判明した. プリフォームと高圧鋳造後の複合材料の寸法変化を調べたところ,シリカを用いた場合は試料の中央部における変形が著しく亀裂が多数観察されるのに対し,γアルミナ微粉末添加焼結の複合材料では,変形や亀裂はほとんど認められないことが分かった.400^○Cまで引張強度を評価したところ,僅かながら強度改善が可能であることが分かった. S_iC/Al複合系では,S_iCの粒度,体積率を変化させプリフォームとして焼結し,高圧鋳造で純Alを複合化し各種熱的特性評価した.その結果,熱膨張で大きく複合則から外れる挙動を示すことが分かった.
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