1998 Fiscal Year Annual Research Report
短繊維強化アルミニウム合金基複合材料のプリフォーム構造制御による高機能化
Project/Area Number |
09450251
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅沼 克昭 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (10154444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雅博 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60291449)
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Keywords | 複合材料 / プリフォーム / バインダー / 強度 / 組織 |
Research Abstract |
アルミニウムをマトリックスとする複合材料をその競合材料と区別をできる最大の特色は300℃を越える高温特性が保持できるかどうかである.アモルファスや合金化で微細組織制御されたアルミニウム合金は,組織の安定性から300℃を大きく越える温度範囲での常時使用はほとんど不可能になるが,短繊維強化複合材料では300℃を越える温度でも安定な組織が保たれる.しかし,300℃を越える温度領域ではマトリックスの軟化と繊維/マトリックスの界面滑りが著しくなり,複合則に従う限り急激に複合材料の強度は低下する.この状況の中,まず本研究では短繊維或いは粒子強化複合材料において新しいプリフォームの製造方法を提案する.この方法では,プリフォームの成形にセラミックスの焼結技術を取り入れ,無バインダーあるいは安定酸化物をバインダーとして高強度プリフォームを作成し,セラミックスの骨格を形成する.この技術によって,複合材料における幾つかの問題点,すなわち,高圧鋳造時のプリフォームの変形や割れを防ぎ,従来用いられているシリカバインダーと溶湯との反応抑制が引き起こす問題など解決され,更に従来の複合則では予測できない優れた熱的特性性質を実現できる′ことが明らかになった. 本研究と並行して進めた鉛フリーはんだ開発において,Sn-Ag合金がAg3Sn繊維の骨格を形成して強化された複合材料であることを明らかした.即ち,この複合組織により,100℃前後で高い信頼性が要求されるエレクトロニクス材料として有望な特性が実現されているもので,その詳細を明らかにした.一方,本研究では更に高温領域で利用可能な経済的な高性能複合材料の製造を試み,アルミナイド系金属間化合物をマトリックスとする高温型複合材料のプロセス開発を行った. その結果,最適なマトリックスの物性制御と強化素材の選択を行うことにより,複合化による強化と同時に,従来問題となっている応力腐食による劣化現象を極小に抑えることが可能であることが明らかになった. 一連の本研究の遂行により,エレクトロニクス機器に対応する低温領域から自動車エンジン部品をカバーできる中温領域,更に1000℃近傍まで利用できる高温型複合材料の新しい分野を切り開いた.
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[Publications] K.Tanihata and K.Suganuma: "Fabrication of Ceramics-Metal Composite by Pressure Infiltration of Metal to Porous Ceramics" Key Eng.Mater.161-163. 259-262 (1998)
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[Publications] 菅沼克昭,E.Zais and A.P.Tomsia: "純アルミニウム/α相アルミナ界面の組織と強度" 日本金属学会誌. 62. 92-97 (1998)
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[Publications] M.Inoue,K.Suganuma and K.Niihara: "Fracture properties of Fe-40at%Al alloys fabricated by reactive hot-pressing" Scripta Mater.39. 1477-1482 (1998)
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[Publications] M.Inoue,H.Nagao,K.Suganuma and K.Niihara: "Fracture properties of Fe-40at%Al matrix composites reinforced with ceramic particles and fibers" Mater.Sci.and Eng.A.(1998)
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[Publications] 井上雅博,菅沼克昭: "さらなる高性能をめざして -アルミナイド複合材料の複合化の指針と強化メカニズム-" Boundary. 14[3]. 39-45 (1998)
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[Publications] 菅沼克昭: "コストパフォーマンスに優れた鋳造による金属とセラミックスの複合材料" Materials Integration. 12[1]. 23-31 (1999)