1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450252
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
魚崎 泰弘 徳島大学, 工学部, 助教授 (90160225)
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Keywords | 超臨界流体 / 高分子材料 / 可塑化 / ガラス転移 / マイクロセルラー |
Research Abstract |
種々の高圧流体中でポリスチレン(PS)やポリメチルメタクリレート(PMMA)のガラス転移温度を決定した。PSに対してはポリマーフィルム幅の収縮挙動から,またPMMAに対してはポリマーフィルムの一軸延伸の可否から,ガラス転移温度を決定した。その結果,ガラス転移挙動が流体によって大きく変化することが明らかとなった。これらの結果は今後の一軸延伸による配向付与などの高分子材料の機能化に対する有用な情報となる。亜酸化窒素流体ではいずれのポリマーもタイプIV(逆行ガラス化),二酸化炭素流体中ではPSに対しタイプII,PMMAに対しタイプIV,トリフロロメタン流体ではPSに対しタイプI,PMMAに対しタイプIIIのガラス転移挙動が得られた。以上の結果から、亜酸化窒素がポリマーの可塑剤として有効な流体であることが明らかとなった。 新たに製作した高圧FT-IRセルを用いて,圧縮流体中におけるポリマーと流体との相互作用を検討した。しかし,現在のところ,十分なデータ蓄積に至っておらず,明確な情報は得られていない。 そのため,ポリマーのマイクロセルラー化を併行して検討を進めた。その結果,二酸化炭素流体で処理したPMMAの発泡セル径と発泡密度に及ぼす温度・圧力効果,ならびに処理温度の影響について興味ある結果が得られた。すなわち,ガラス状態にあるPMMAにおいても,ある温度・圧力領域ではゴム状態にある時よりも発泡セル径は小さく,発泡密度は大きくなることが明らかとなった。
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