1999 Fiscal Year Annual Research Report
CF_4/O_2混合ガスプラズマ排気系における各種金属および合金の腐食機構
Project/Area Number |
09450264
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉本 克久 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤尾 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80222503)
原 信義 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40111257)
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Keywords | プラズマエッチング / 反応性イオンエッチング / プラズマ下流域腐食 / 腐食速度 / 気相分析 / フッ化物 / 酸化物 / 蒸気圧 |
Research Abstract |
プラズマエッチングおよび反応性イオンエッチング環境における装置構成材料の腐食挙動と腐食機構を明らかにするために,CF_4/O_2混合ガスプラズマ排気系における各種金属材料の腐食試験を行った。本年度の成果は以下のように要約される。 1.腐食試験後の試料表面の化学組成分析:腐食試験前後の試料表面の化学組成の変化を調べた。質量減少を示す金属のうちW上には腐食生成物はなく,Ta,Ti,MoおよびCr上にはオキシフッ化物皮膜が生成していた。質量変化を示さない金属では,Co,NiおよびCu上にはフッ化物皮膜が,Al上にはオキシフッ化物皮膜が生成していた。質量増加を示す試料(Fe,鋳鉄,ステンレス鋼)ではオキシフッ化物の厚い皮膜が形成されていることが分かった。 2.酸化物薄膜のエッチング過程:腐食の初期段階では,表面に存在する自然酸化皮膜が腐食挙動に影響を及ぼす可能性があるため,CVD法で作製したTa_2O_5,Al_2O_3,Fe_2O_3,Cr_2O_3およびNiO薄膜のエッチング挙動を調べた。その結果,これらの酸化物のエッチング挙動および表面組成の変化は各々の純金属に類似していることが判明した。 3.腐食機構の解明:気相化学種分析および表面分析の結果,ならびに酸化物-フッ化物の熱力学的ポテンシャル図および蒸気圧-温度曲線に基づいて腐食機構を考察した。その結果CF_4/O_2混合ガスプラズマ排気系では酸化物よりもフッ化物あるいはオキシフッ化物の方が安定であり,フッ化物の蒸気圧が高い金属は,この環境で侵食を受けることが明らかになった。
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