1997 Fiscal Year Annual Research Report
超高温用酸化物水素イオン(プロトン)導電性固体電解質の開発
Project/Area Number |
09450278
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
武津 典彦 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80029355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 照男 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024263)
栗田 典明 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (20292401)
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Keywords | スピネル / 水素溶解 / プロトン電導 / 固体電解質 / IR吸収 / 同位体効果 / 電気伝導度 / 酸化物 |
Research Abstract |
超高温での結晶欠陥型プロトン導電体を開発するには、酸素イオン電導の小さい母材を選択することが重要である。本年度は酸素イオンが動きにくいと考えられるMgO-Al_2O_3スピネルを選び、そのプロトン導電性について調査した。試料は水酸素火炎溶融法(ベルヌ-イ法)で単結晶に育成した。まず、水素の溶解を確認するため異なる水蒸気アニール条件下で急冷した試料について透過法にてIR吸収測定を行った。その結果アルミニウム過剰の組成領域すなわち、Mg_<1-x>Al_2O_<4-x>(x=0-0.3)において3370cm_<-1>付近にOHの伸縮振動に起因すると見られるIR吸収が観察され、アニールの条件によって可逆的にその強度が変化すること、および重水素を用いた場合にはその吸収波数が理論的に予測される位置にシフトすることによって水素が実際に溶解していることが認められた。次にその吸収係数がアニール時の平衡水蒸気分圧のI/2乗に比例することが確認され、反応H_2O+V^‥_o→2H^・_i+O^×_o の平衡が存在することが推定された。この系においてはイオンの大きさからAlはMg位置に侵入できるが逆の置換は不可能なため、アルミニウム過剰の組成ではアルミニウムイオン空孔が生じ、その歪みを緩和するため、酸素イオン位置にも空孔が生じ、上の反応によって水素が取り込まれるものと考えられる。次にプロトン電導の大きさを調べるために、電気伝導度のH/D同位体効果について調査を行った。電気伝導度は1200°C付近で10^<-6>Scm^<-1> 程度の値を示したが、酸素分圧の高い状態及び低い状態についても同位体効果は認められず、観察された電気伝導はプロトンが主体ではないことが明らかとなった。来年度に向けて他のスピネル型酸化物について調査するほかコランダム型酸化物についても現在調査中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 栗田典明: "電気化学的方法による液体Ag-Pd合金の水素溶解度の決定" 日本金属学会秋期大会講演概要. 121. 475-475 (1997)
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[Publications] 宮本展宏: "溶融アルミニウムへの水素溶解における表面酸化膜の役割" 日本金属学会秋期大会講演概要. 121. 469-469 (1997)
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[Publications] 栗田典明: "ZrをドープしたCaIn_2O_4の安定領域" 電気化学会秋季大会講演要旨集. 2127-2127 (1997)
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[Publications] N.Fukatu: "Hydrogen Sensor for Molten Metals Usable up to 1500K" 11th International Conference on Solid State Ionics Extended Abstracts. 149-149 (1997)
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[Publications] 武津典彦: "1500Kまで使用可能な溶融金属用水素センサー" 固体イオニクス討論会講演要旨集. 23. 171-172 (1997)
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[Publications] 栗田典明: "焼結アルミナを電解質としたガス濃淡電池の起電力" 電気化学会春季大会講演要旨集. (発表予定). (1998)