1997 Fiscal Year Annual Research Report
電界制御型粒子分散系流体の機能性材料開発に関する研究
Project/Area Number |
09450282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今野 幹男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40125547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
顧 順超 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30292238)
佐藤 友章 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70261584)
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Keywords | 電気レオロジー流体 / 粒子鎖構造 / 電流特性 |
Research Abstract |
絶縁性の油を分散媒とする粒子分散系の電気レオロジー流体は、外部電場の印加によりその流動特性を制御できることから、振動制御装置や位置精密制御装置などへの応用が期待されている。更に最近の研究から、この効果は電場印加により粒子の分散構造が変化するために生じることが指摘されており、その構造変化に伴って光透過特性などの諸物性も大幅に変化することが知られ、レオロジー以外の広範囲な工業的応用も期待されている。 そこで本申請者らは、その応用の基礎を確立するために、サブミクロンサイズのシリカ粒子およびポリスチレンスルホン酸ナトリウム粒子を対象とした分散系において、実験結果およびこれまでの理論的解析を検証し、電気レオロジー効果の支配因子(吸着水量、電流)やその発生機構について検討を行った。その結果、電場印加時に系内を流れる電流を伝導性電流と誘電性電流の各成分電流で検出し、電気レオロジー効果との対応関係を明らかにすることにより、伝導性電流が電極間に形成された粒子鎖の構造を反映していることがわかった。また、誘電性電流に対して既往のモデルとの比較を行ったところ、誘電分極モデルおよび電気二重層モデルの予測に近い結果が得られ、粒子分散系電気レオロジー効果は粒子の誘電分極機構に基づく発生機構が有力であることを示唆した。さらに、誘電性電流からの電場周波数を考慮して粒子の分極の大きさを見積もることにより、粒子の吸着水量によらず既往のモデルの予測よりも良好な相関を得ることができた。
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