1998 Fiscal Year Annual Research Report
分子シミュレーションによる膜透過機構の解明と膜の分子設計
Project/Area Number |
09450286
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新田 友茂 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00029480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (10291436)
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Keywords | 無機膜 / 炭素膜 / 分子動力学 / 非平衡 / ゼオライト膜 / 量子化学計算 / 波動関数 |
Research Abstract |
本研究は、分子シミュレーションを用いた無機膜の透過機構の解明と、第一原理量子化学計算を用いた表面原子の修飾法の研究をおこなったものである。(1)分子シミュレーションでは、μVT-NEMD法を用いて炭素膜中の純粋および混合気体の透過現象を再現し、膜の表面がランダム不均一表面である場合に比べて、周期的なエネルギーバリアを持つ表面では、透過ガスの吸着力が強いほど拡散抵抗が大きく、吸着平衡が支配的な分離機構から拡散抵抗支配の分離機構に変化することを明らかにした。(2)炭素膜入口のスリット幅を変えたメタン+エタン混合気体の透過では、強吸着成分のエタンが細孔入口をブロックして、単独ならば透過できる小さなメタン分子が透過できなくなる現象を観察した。(3)純シリカZSM-5中のヘリウム、窒素、二酸化炭素、メタン、エタンの透過現象をシミュレーションし、求めた細孔内の密度分布から、膜の入口・内部・出口の透過抵抗が推定できることを示した。(4)膜出口の透過現象の解析に新しく導入した核波束法を用いて面に垂直方向の運動エネルギーの大きさが透過抵抗に及ぼす影響を調べた。 Gaussianを用いた第一原理量子化学計算をおこなった後で、Gamessを用いた計算から分子間ポテンシャルの分解をおこなったところ、二酸化炭素とMg-Oクラスター間の分子間ポテンシャルを支配する因子は二酸化炭素からMg-Oへの電荷移動項であることが明らかになった。そこで、Mgよりも電気陰性度の小さなCa原子を選び、Mgの一部と交換したところ、電荷移動項がさらに促進されて吸着エネルギーが大きくなった。この計算例は、表面修飾原子を系統的に探索する新しい方法を示唆するものである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Shin-ichi Furukawa: "Computer Simulation Studies on Gas Permeation through Nanoporous Carbon Membranes by Non-Equilibrium Molecular Dynamics" Journal of Chemical Engineering of Japan. 30. 116-122 (1997)
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[Publications] Shin-ichi Furukawa: "Effects of Surface Heterogeneity on Gas Permeations through Slitlike Carbon Membranes by Non-Equilibrium Molecular Dynamics Simulations" Journal of Chemical Engineering of Japan. 30. 1107-1112 (1997)
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[Publications] Hideaki Takahashi: "Effect of the Shape of Simulation Box on the van der Waals loop of Lennard-Jones Fluid" Chemical Physics Letters. 282. 128-132 (1998)
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[Publications] 古川信一: "炭素膜の気体透過の分子シミュレーション" 膜. 23(2). 80-86 (1998)
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[Publications] 新田友茂: "不均一表面炭素膜のガス透過シミュレーション" ケミカルエンジニアリング. 40(2). 135-140 (1998)
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[Publications] Hideaki Takahashi: "A wavepacket analysis of the statistical behaviour of molecules that penetrate a slit-shaped micropore" Chemical Physics Letters. 294. 95-102 (1998)
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[Publications] Shin-ichi Furukawa: "Nonequilibrium MD Studies on Gas Permeation through Carbon Membranes with Belt-like Heterogeneous Surfaces" Journal of Chemical Engineering of Japan. (1999)
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[Publications] 古川信一: "非平衡分子動力学法を用いた無機膜の気体透過挙動の研究" 化学工学シンポジウムシリーズ. (1999)