1999 Fiscal Year Annual Research Report
CTスキャン方式分散状態計測法を用いた精密制御懸濁重合反応システムの試作と応用
Project/Area Number |
09450290
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
上ノ山 周 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (50233945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 一巳 綜研化学株式会社, プラントシステム部, 部長補佐(研究職)
仁志 和彦 横浜国立大学, 工学部, 助手 (20262412)
上和野 満雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (70017896)
樽本 淳 綜研化学株式会社, 研究開発センター, 副主任研究員
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Keywords | 断面計測 / 分散懸濁状態 / 懸濁重合反応 / トモグラフィー / 反応試験 |
Research Abstract |
平成10年度における1)実験槽における固-液系分散状態計測の予備実験、2)撹拌翼付き実験槽における固-液系分散状態の計測、3)撹拌翼付き実験槽における気-液系分散状態の計測(このうち1),2)については粉体工学会第35回夏期シンポジウム(神奈川県湘南国際村,1999)にて口頭発表済み。)を踏まえ今年度、平成11年度は以下のことを行った。 1)重合後期に重合槽内で発現すると考えられる降伏値を有する塑性流体の流動挙動を測定した。同流体は、剪断作用が強く作用する撹拌翼の廻りのみで流動が生じ、その外側は静止状態を形成することが知られている。この流動領域はあたかも洞穴上となることからcavernと呼ばれる。このcavernに電解質水溶液を注入することにより両領域での電気低抗値に差違を作り、本CTスキャン計測システムを用いて流動領域の境界を断面的に捉えることに成功した(化学工学会第32回秋季大会(金沢,1999)にて口頭発表済み。)。 2)スチレンの懸濁重合を対象として、ガラスビーカー槽内で実際に反応を起こし、反応の初期、中期、後期のそれぞれの場面において、本CTスキャン計測システムを用い、生成重合物の擬集塊の有無を判別することに成功した(化学工学会第65年会(東京,2000)にて口頭発表予定。)。これは連続的な反応場での計測ではないが、それに至る直前の段階に相当する。 本研究の最終年度に当たる平成12年度は、これらの実績を踏まえ、懸濁重合場での連続計測を行うとともに、ステンレス反応槽に本計測システムを組み込むことで、ビーカースケールからベンチスケールヘの重合装置の大型化に取り組む予定である。
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