1998 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型触媒プロセス 「エチレンジアミン選択的合成触媒の開発研究」
Project/Area Number |
09450300
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Research Institution | Sophia university |
Principal Investigator |
瀬川 幸一 上智大学, 理工学部化学科, 教授 (60053675)
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Keywords | モルデナイト / 選択的合成 / エタノールアミン / エチレンジアミン / 副生成物 / 脱アルミニウム処理 / ピリジン吸着IR / ブレンステッド酸点 |
Research Abstract |
はじめに様々なゼオライトを用いてエタノールアミン(EA)とアンモニアからエチレンジアミン(EDA)合成を行った。ゼオライトの中でもH_4EDTAにより脱アルミニウム処理を施したH-EDTA-MORが最も高い活性を示し、高いEDA選択率を示した。反応条件を変化させたところ、触媒活性はアンモニア分圧の上昇とともに向上した。また、反応初期では主にエチレンイミンが生成し、後にEDAが主生成物となった。反応結果とキャラクタリゼーション(EAおよびアンモニアの共吸着によるIR)からEDA合成には強酸点と過剰のアンモニアが必要であることが分かった。また、モルデナイトの細孔径より細孔内では嵩高い副生成物の生成が抑制されていると思われる。反応機構は、まずEAがプロトン付加によりアンモニウムイオンとなり、分子内での電荷の移動の後に分子内脱水によりエチレンイミン吸着種が生成する。次に異なる濃度のH_4EDTAと塩酸により脱Al処理を施し、IR(ピリジン吸着)、XRD、XRF、MAS NMRによりキャラクタリゼーションを行った。それぞれの触媒を反応に供した際の生成物はGC-MSにより副生成物を中心とした分析を行った。IRスペクトルより脱アルミニウム処理の進行にともないピリジン吸着量は増加しSi/Al(バルク組成)が5付近で最大となり、その後は減少した。また、触媒活性はピリジン吸着量の増加にともない向上し、結晶化度とピリジン吸着量の減少とともに活性低下した。すなわち、ピリジン吸着量(ブレンステッド酸点)に比例して触媒活性が向上するものと考えられる。酸量が増加した原因については現在検討中である。
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