1998 Fiscal Year Annual Research Report
高活性・高基質特異性を発現する両親媒性プラスチック酵素創製への物理化学的研究
Project/Area Number |
09450317
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大久保 捷敏 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (00040402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小瀧 努 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (70170264)
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Keywords | プラスチック酵素 / 遷移状態類似体 / アミノ酸エステル / 両親媒性人工酵素 / エステラーゼ活性 / 鋳型 / 加水分解 / 立体選択 |
Research Abstract |
高活性・高基質立体選択性機能を発現する両親媒性プラスチック酵素の創製・利用例として、特定のL-アミノ酸エステル基質に対する高エステラーゼ活性・高基質立体選択性機能を具備させた両親媒性プラスチック酵素の設計と上記酵素機能の発現を具体化した。すなわち、Z(ベンジルオキシカルボニル)-L-Leu-PNP(p-ニトロフェノール)をターゲット基質とし、その加水分解反応の遷移状態類似体である1-(ベンジルオキシカルポニルアミノ)イソブチルホスホン酸モノフェニルエステルとプラスチック酵素の活性部位N-アクロイル-L-ヒスチジンメチルエステルとを予めDMSO中で水素結合させておき、プラスチック酵素骨格形成を、アクリルアミド、疎水性スチレン、架橋剤エチレン(またはブチレン、ヘキサメチレンあるいはデカメチレン)ビスアクリルアミド及び両親媒性N-(3-トリメチルアンモニウムイソプロピル)アクリルアミドクロライトの重合により行い、架橋率8〜35%下で鋳型の遷移状態類似体を酢酸エチル等で洗浄除去し、反応キャビテイーに活性部位が1つ存在する状態で、除去率98〜50%のものとして得た。架橋率8〜35%において、上記4種の架橋剤、スチレン/活性部位=0〜3及びアクリルアミド/両親媒アンモニウム=1〜3の範囲で、ターゲット基質に対する最適な両親媒性プラスチック酵素の創製条件が見出された。すなわち、最適プラスチック酵素骨格は、架橋剤プチレンビスアクリルアミド、架橋率25%、スチレン/活性部位比率=2及びアクリルアミド/両親媒アンモニウム=2の条件下(鋳型化率96%及び鋳型除去率70%)で得られ、加水分解速度は活性部位のみに比して2倍、エナンチオマー速度比L/D=8.4(89%e.e.相当)をもたらした。また、創製プラスチック酵素に対する遷移状態類似体の阻害効果は、添加濃度2倍以下で活性を消失させる極めて高いものであった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Sagawa, H.Ihara, K.Ohkubo: "Catalytic and Stereoselective Activities Cross-linked Polymers Imprinted with Reaction Intermediate for Enzyme-Like Reactions" Transworld Research Network,“Recent Research Developments in Pure & Applied Chemistry (Special Ed.)". (印刷中). (1999)
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[Publications] K.Ohkubo, T.Kodaki: "Catalytic and Stereoselective Activities of Novel Soluble Cross-linked Polymers Imprinted by a Transition-state Analogue for the Hydrolysis of Enantiomeric Amino Acid Esters" Journal of Molecular Catalysis. (発表予定).