1997 Fiscal Year Annual Research Report
新しいリチウム二次電池用正極:遷移金属塩化物-グラファイト層間化合物
Project/Area Number |
09450321
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岸 富也 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50051412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 靖 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (50286639)
美浦 隆 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50051917)
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Keywords | グラファイト層間化合物 / リチウム二次電池正極活物質 / 塩化コバルト / 遷移金属塩化物 |
Research Abstract |
本年度は遷移金属-グラファイト層間化合物として塩化コバルト-グラファイト層間化合物を取り上げ,その合成,結晶構造および電気化学的リチウム挿入挙動について予備的検討を行った. 塩化コバルト-グラファイト層間化合物はグラファイトと無水塩化コバルトを塩素雰囲気下で加熱することによって合成した.その粉末X線回折の結果から第1ステージの塩化コバルト-グラファイト層間化合物が生成していることを確認した.この塩化コバルト-グラファイト層間化合物を試料電極として電気化学的リチウム挿入を試みたが,放電容量は従来報告されている値よりも小さかった.これは試料電極の作成上の問題であると推察された. 本研究では空気中の水分などの影響を排除するため,合成した塩化コバルト-グラファイト層間化合物等の試料は全て乾燥アルゴン雰囲気のグローブボックス内で取り扱い,試料電極の作成についても同グローブボックス内で行った.その際,グローブボックス内では絶縁材として用いる樹脂が固化しない等の問題があるため,今後は電極の形状およびその作成方法等について検討する必要がある. 塩化コバルトは2価の酸化状態であるが,それよりも酸化状態の高い塩化物(四塩化バナジウムなど)のグラファイト層間化合物についても現在検討を進めている.
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Research Products
(1 results)