1999 Fiscal Year Annual Research Report
HF溶融塩を用いる機能性物質の創製を目指した新規精密制御フッ素化法の開発
Project/Area Number |
09450329
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
米田 徳彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50001219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 竜夫 トウケムプロダクツ株式会社, 研究開発部(研究職), 研究部長
福原 彊 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50238507)
原 正治 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20109490)
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Keywords | HF溶融塩 / ヨードアレーンジフルオリド / フルオロアルケン / ヨードニウム塩 / フルオロペンテノン / フルオロ環状エーテル / 電解部分フッ素化 / フルオロフェノール |
Research Abstract |
当研究室でここ数来蓄積してきたHF取り扱いのノウハウを有効に生かして種々の組成から成るHF溶融塩(HF-塩基溶液等)を合成し、HF溶融塩を反応場およびフッ素源として生物活性物質・機能性素材等の中間体や原体としての利用が期待される有機フッ素化合物を合成するための新規精密制御フッ素化法の開発を行なった。平成11年度の実績は以下の通りである。 1.HF溶融塩中でヨードアレーンを電解酸化すると容易にヨードアレーンジフルオリド(EG-A r IF_2)が生成し、化学的に合成したArIF_2より不純物が少なくex-cell法による精密合成フッ素化剤として優れていることを明らかにした。 2.1.項の方法で得られたEG-ArIF_2は5HF-Et_3を反応溶媒とすることで、β-ケトカルボニル化合物のα-fluorination、ターミナルオレフインのvic-difluorination、官能基を持つオレフインの環化フッ素化、シクロオレフインの環縮小を伴うgem-difluorination等の優れた反応試薬である。また、末端アセチレンとの反応により得られる[E]-2-Fluoroalkenylヨードニウム塩(1)をビルディングブロックとして用い、Pd触媒等によりカルボメチル化やアミノ化反応、Heck型カップリング反応など1の立体を保持した種々の[E]-型-フルオロオレフインの新規立体選択的合成法を確立した。 3.HF溶融塩の存在下、ArIF_2と一級オレフインの反応反応ではvic-ジフルオロアルカンが、不飽和アルコールあるいは不飽和カルボン酸との反応ではフルオロ環状エーテルあるいはフルオロラクトンが得られた。一方、ヨードアルカンとの反応ではフルオロアルカンが高収率で得られた。 4.β-位にMeS基を二個もつジビニルケトンをトリフルオロ酢酸水銀とHF溶融塩の存在下に反応させるとフルオロ環化反応が促進し、フルオロペンテノン誘導体が好収率で得られることを見出した。 5.有機電解部分フッ素化に優れたHF溶融塩を用いて、電子求引基を共役するジェンやスチレンからvic-ジフッ素化が進行すること、また芳香族側鎖の電解部分フッ素化によりモノおよびジフッ素化体が良好な収率で得られることを明らかにした。 6.p-位に置換基を持たないフエノール類の電解フッ素化を行うと4,4-ジフルオロシクロヘキサ-2,5-ジエンノン誘導体が得られ、これを還元することにより4-フルオロフェノール類が容易に得られる。一方、p-位に置換基フエノール類からは4-フルオロ-4-置換シクロヘキサ-2,5-ジエンノン誘導体を与えることを明らかにした。
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[Publications] Shoji Hara: "Fluorocyclization II. Cyclization of Methylthio Group Substituted Divinyl Ketones to 5-Fluorocyclopentenone Derivatives"Synlett. 411-412 (1999)
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[Publications] M. Sawaguchi: "Electrochemical Direct Fluorination of Lactams"Israel J. Chem.. 39. 151-154 (1999)
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[Publications] Shoji Hara: "Regio- and Stereoselective Fluorinative Ring-Opening Reaction of Epoxyalcohols by (I-PrO)_2-Et_4NF-nHF. Synthesis of Optically Active 3-fluoro-1,2-diols"Tetrahedron. 55. 4947-4957 (1999)
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[Publications] Shoji Hara: "Stereoselective synthesis of (E)-β-fluoro-α,β-unsaturated esters by carbonylation of (E)-2-fluoro-1-iodo-1-alkenyliodonium salts"Tetrahedron Lett.. 44. 7815-7818 (1999)
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[Publications] Masanori Sawaguchi: "Preparation of aromatic fluorides : Facile photo-induced fluorinative decomposition of arenediazonium salts and their related compounds using pyridine-nHF"J. Fluorine Chem.. 97. 127-133 (1999)
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[Publications] Shoji Hara: "Fluorodesulfurization of β,β-bis(methylthio)-α,β-unsaturated carbonyl compounds. Synthesis of β,β-difluoro-β-(methylthio)carbonyl compounds"J. Fluorine Chem.. 101. 35-38 (2000)