1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450367
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒川 義博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50134490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 鶴雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90215343)
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Keywords | ホール推進機 / 電気推進 / プラズマ現象 / プラズマ不安定性 / シミュレーション |
Research Abstract |
ホール型推進機は,発生出力の割には軽量・コンパクトで,高い推力密度と推進効率が得られるため,実用化に向けての耐久性試験が世界各国の研究機関で進められている。しかしながら,この過程で明らかになったことは,ホール推進機は高い推進効率を発生することができるが,放電電流に振動成分が現れプラズマ加速部の壁に損傷を及ぼし,長時間作動を困難とする問題が生じた。 本研究では,こうした推進機の耐久性に支障となる振動現象の要因を明らかにするために,プラズマ粒子シミュレーションモデルの構築とホール推進機の光学計測実験をはじめた。前者では,これまでに開発してきた不安定解析可能な二次元プラズマシミュレーションモデルを更に発展させて,三次元モデルを構築し,ホール型推進機プラズマ加速部に起きる放電不安定やプラズマシミュレーションを開始した。このコードの作成とシミュレーションを実施するため,演算速度の極めてはやいコンピュータとグラフィック用のパソコン及びカラープリンタを新規に購入した。現段階では,開発途中であるため,十分に満足できる結果は得られていないが,振動現象をシミュレートすることができた。 また,後者では,現有のデジタルメモリスコープによる放電特性の観測とモノクロメータ等を用いた分光計測によるプラズマ密度変動に加えて,新規に購入したスペクトラムアナライザによって,振動スペクトルの解析を行いはじめた。これまでの結果では,10-30kHzの低周波領域に比較的大きな振動成分が観測された。
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