1998 Fiscal Year Annual Research Report
スクラムジェットエンジンの燃焼変動と複合閉塞に関する研究
Project/Area Number |
09450368
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梶 昭次郎 東京大学, 工学系研究科, 教授 (80013704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 哲也 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 助手 (80249937)
渡辺 紀徳 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (10201211)
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Keywords | 超音速燃焼 / スクラムジェット / 熱閉塞 / 複合閉塞 / 高エンタルピー風洞 / 宇宙往還機 / 水素燃焼 |
Research Abstract |
宇宙往還機や極超音速輸送機の推進機関としてスクラムジェットエンジンが注目されている。その技術的課題は安定な超音速燃焼の実現であるが、これを阻止するものは熱閉塞と複合閉塞である。一般に極超音速機では機体とエンジンの一体化が行われるが、亜音速機や超音速機と異なり、極超音速機の場合は機体に沿って発達する境界層をエンジン外部に逸らすことはできず、これをエンジン内に取込むことを余儀なくされる。主流と機体境界層流のように性質の異なる流体が一緒に空気取入口からエンジンに取込まれると、各々の流れから成る流管は極めて複雑かつ相互に影響しつつ各流管断面積を変化させる。結果として、主流部は超音速を保ったまま境界層流部の存在ゆえに、流れ場全体として閉塞状態に陥る。これが複合閉塞現象である。 本研究では現実のスクラムジェットエンジンが熱閉塞や複合閉塞に陥る状況を正確に模擬するため、エンジンモデル内で水素燃焼を行わせて実験検証すると同時に、小型モデルでは把握しきれない現象の詳細面については数値解析によって解明する。 スクラムジェットエンジンモジュールで超音速燃焼を実現するために、既存の高圧空気源(9ata、30m^3)による超音速風洞に水素燃料による予備燃焼器を付加し、約800℃まで加熱できるように改造、内部燃焼が行えるよう排気消音系統を設備した。予備燃焼器、超音速ノズル、風洞試験部にはセラミックタイルの内貼りを施し、排気系では水噴射による冷却と消音を行った。また、超音速熱風洞動作シーケンスを確立し、風洞特性を調査した。 本年度は予備燃焼器の2段階水素噴射による着火手順を確認し、空気温度を風洞中央部で1000℃以上に加熱することを実現した。エンジンモジュールを風洞試験部壁面に装着し、水素燃料噴射による自発着火を確認した。さらに、加熱モデルを用いた不始動遷移過程の三次元解析を行うため、三次元、圧縮性流れの非定常解析コードの開発を進めている。
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