1997 Fiscal Year Annual Research Report
ポジショナルクローニング法によるイネDL遺伝子の単離
Project/Area Number |
09460002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 博之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00192716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長戸 康郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10143413)
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Keywords | DL遺伝子 / ポジショナル クローニング / 花の発生 / 中肋 / BAC クローン / 形態形成 / イネ |
Research Abstract |
dl遺伝子座は,イネの雌蕊と葉の中肋の形成を制御している.本研究はポジショナルクローニング法により,この遺伝子を単離することを目的としている. まず,この遺伝子座にもっとも近いマーカーを探索することを試みた.染色体地図とRFLP地図を比較し,dl遺伝子座に近いRFLPマーカーを選択した.dl座の変異体とインディカ(Kasarath)とのF_2よりゲノムDNAを単離し,7つのRFLPマーカーについてそれぞれサザンブロット解析を行い,dl座との組換え率頻度を検討した.その結果,dl座との組換え率は遠いもので8.8%であったが,3つのマーカーは,150個体を解析してdl遺伝子座との組換えを示さず,この遺伝子座にもっとも近いことが判明した.このうちの一つをプローブとして,BACライブラリーをスクリーニングし,5つのクローンを得た.このクローンをNotIで切断した後,パルスフィールド電気泳動で解析し,コンティグを作製した.このコンティグの両端のDNAをTAIL PCR法で増幅し,これをプローブとして,BACライブラリーをスクリーニングした.この遺伝子歩行により得れたBACクローンをもとに,コンティグを作製した.現在までに約400kbをカバーするBACコティングを作製している.今後,これらのコティングをもとにdl遺伝子座にもっとも近い領域を決定し,DL遺伝子を単離することを計画している.
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