1997 Fiscal Year Annual Research Report
リンゴにおける芽条変異(枝変わり)の発生機構とそれら系統の識別方法に関する研究
Project/Area Number |
09460013
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
荒川 修 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (70184265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 竹雄 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10228645)
浅田 武典 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10003518)
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Keywords | AFLP / アントシアニン / 芽条変異 |
Research Abstract |
本研究は、リンゴ枝変わり系統について、芽条変異の発生機構の解明と,それに基づいた識別同定方法を確率することを目的として,本年度は以下の研究を行った.枝変わり系統の識別方法について,AFLP(Amplified restriction lengthpolymorphism)法による枝変わり系統識別の可能性を検討した.材料として,'ふじ'の枝変わりである'秋ふ1'の系統について,その原木および'ふじ'の原木を含む4個体を用いた.プライマー61組から計約2700本のほぼ同一のバンドパターンが各個体より得られた.このうち,2本の増幅断片が一部の個体では検出されなかった.以上のことから,AFLP解析は枝変わり系統間のゲノムの変異についても検出されることが可能であると考えられた.現在,これらの増幅断片を解析中である.また,AFLP法は,親子の鑑定にも有効であることが明らかとなった.着色系枝変わりについて,アントシアニン生成の制御機構を明らかにするために,光質の違いが,アントシアニン生成とフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)活性に及ぼす影響について調査した.その結果,UV(280-320nm)照射およびUVと白色光の混合光照射は高いPAL活性を誘導するが,アントシアニン生成量は混合光で著しく大きかった.また,白色光のみの照射ではPAL活性は著しく低いが,アントシアニン生成量は,特に成熟がすすんだ段階では比較的多くなり,PALの役割は成熟段階でも異なることが明らかとなった.
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