1998 Fiscal Year Annual Research Report
リンゴにおける芽条変異(枝変わり)の発生機構とそれら系統の識別方法に関する研究
Project/Area Number |
09460013
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
荒川 修 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (70184265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 竹雄 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10228645)
浅田 武典 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10003518)
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Keywords | ACC合成酵素 / アントシアニン / 芽条変異 / トランスポゾン / フラボノイド |
Research Abstract |
本研究は、リンゴ枝変わり系統について、芽条変異の発生機構の解明と,それに基づいた識別同定方法を確率することを目的として,本年度は以下の研究を行った.枝変わり誘発機構として、生長点における表層キメラ説とともにトランスポゾン説が有力である。しかし、リンゴにおけるトランスポゾンに関する報告はこれまで全くなかった。そこで、リンゴゲノムの既報の塩基配列を検索したところ、果皮赤色化遺伝子Rfに連鎖するDNAマーカーの対立遺伝子内に存在する挿入配列163bpは、リンゴのACC合成酵素遺伝子ACS1の上流域にも存在することが判った。また、これらの配列の両隣接部位には転移因子に特徴的な繰り返し配列が存在していたことから、これらをトランスポゾンと断定し、Md-Tn1と命名した。スロットブロット実験から、リンゴゲノム上に数万コピーのMd-Tn1の散在が確認された. 枝変わり系統のアントシアニンやフラボノイド類の組成を比較するために,今年度は,液体クロマトグラフによる分析方法について,品種の比較を行いながら検討した.アントシアニン類の抽出溶媒を検討した結果,従来の抽出溶媒では抽出中にアントシアニンの変成が起こっていることがわかり,抽出溶媒を変えたところ,安定したクロマトグラムが得られるようになった.マルチチャンネル検出器を用いて検出されるピークについて吸収スペクトルを検討した結果,アンドシアニンの種類が6種類と従来報告されている4種類以上のアントシアニンが検出されるようになった.枝変わり品種のアンドシアニン組成の違いについては,この方法を用いて現在調査中である.
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[Publications] Sunako T.et al: "An allele of the ripening-specific-aminocyclopropane-1-carboxylicacid synthase gene(ACS1)in apple fruit with a long storage life" Plant Physiol. (in press).
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[Publications] Harada,T.et al: "Md-ACS1,a fruit ripening 1-aminocyclopropane-1-carboxylatesynthase gene of apple" Breeding and Biotechnology for Fruit Trees. NIFTS/CSIRC. 42-45 (1998)