1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09460014
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
原 弘道 茨城大学, 農学部, 助教授 (50007689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月橋 輝男 茨城大学, 農学部, 教授 (70007681)
松田 智明 茨城大学, 農学部, 教授 (50007788)
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Keywords | クリ / 組織形成 / 品質 |
Research Abstract |
今年度の課題と進捗状況は以下の通りである. 1.渋皮維管束の走向と機能 鬼皮底部から伸びる軸維管束が胚珠の頂部付近で渋皮と連絡され,この連絡部から始まる渋皮の維管束は葉脈状に走向する.胚珠は心皮に由来し,胚珠形成初期の雌花には6枚の花弁と9本の花糸ならびに葯が認められた.渋皮は収穫期には乾燥し,子葉に近い細胞層が退化し剥皮が困難となるが,中肋先端部に当たる胚珠底部の退化が最も遅く,子葉への転流経路として重要な役割を持っていることが明らかとなった.また,雌花の構造はクリと同じブナ科に属するマテバシイやスダジイでも同様であった. 2.果実の品質特性と微細構造に及ぼす交配花粉の影響 昨年周様4品種間の交配を行い,可溶性糖類等の品質要因の分析ならびに微細構造の観察を行った.3年間のデータから,年次変動を越えて,どの品種に対しても糖度を上昇あるいはデンプン蓄積が多くなる花粉親は認められなかった.しかしながら特定の組み合わせでは糖度が高くなる傾向が認められた.また,低比重果実の出現要因を考察し,低比重果実では高糖度であっても食味評価が抵いことから,食味品質の判断を糖度のみで行うことは問題があることを明らかにした.この結果の一部は園芸学会平成12年度春季大会で発表した. 3.生産地の異なる果実の食味と微細構造 長野,新潟および宮城県で生産された果実について食味と微細構造との関係を検討した. 4.着果位置と果実品質 樹冠上部,下部および内部の果実について比重,デンプン含量ならびに糖含量を測定し着果部位による品質の違いを検討した.樹冠上部に着果した果実は発育良好で,デンプン含量も多く相対的に優れた品質であった.また,隣接樹の品種の連いによる果実品質を検討し,前項の交配花粉による影響とほぼ同じ結果が得られた.
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Research Products
(1 results)