1997 Fiscal Year Annual Research Report
組織,基間およびプロトプラスト培養によるユリの増殖と育種に関する研究
Project/Area Number |
09460017
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新美 芳二 新潟大学, 農学部, 教授 (20018790)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 桂一 新潟大学, 農学部, 助手 (20270936)
中野 優 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (00262460)
|
Keywords | ユリ / 組織培養 / 大量増殖 / 種間雑種 / 半数体 / 染色体倍加 / プロトプラスト / 形質転換 |
Research Abstract |
1.増殖 (1)ヒメサユリ子球を液体振盪培養する場合には,250mMショ糖を添加した培地を用いることで子球の成長が促進されることがわかった.また,培地中のショ糖は培養開始12週間後に完全に消失するが,この時期が培地交換の適期であることが明らかとなった. (2)1mg/1ビクロラムの添加された培地でりん片を培養することにより,様々な種・品種のユリにおいてカルスが誘導することができた.また,培養条件を変えることにより,カルスから植物体を再生させることができた.なお,カルス誘導および植物体再生に関しては,種・品種間差異が観察された. 2.育種 (1)RAPD法およびPCR-RFLP法を用いることにより,ヒメサユリとタモトユリの雑種の同定が簡便に行えることが明らかとなった. (2)カルスをコルヒチン処理することにより,‘コネチカット・キング'の葯培養由来の半数体を効率的に倍加する方法を確立した.また,この手法は2倍体の倍加にも応用することができた. (3)数種のユリの懸濁培養細胞からプロトプラストを単離し,培養してコロニーを形成させることに成功した. (4)ユリにおける形質転換系の確立のために,カルスの増殖および器官形成に及ぼす選抜薬剤の影響を調査し,形質転換組織の選抜薬剤としてはハイグロマイシンおよびビアラフォスが適当であることが明かとなった.また,カルスへのアグロバクテリウムの接種により,gusA遺伝子の一過性発現が観察された.
|
-
[Publications] Y.Niimi. M.Nakano. S.Saito: "Production of commercial Lilinpi rubelbun Baker bulbs: effects of volume and renewal of liquid medium on in vitro growth both rot infection during cold treatmene and post-in-vitro growth of bulblets." Journal of the Japanese Society for Horticultural Science. 66(1). 113-119 (1997)
-
[Publications] Y.Niimi. M.Nakano.N.Isogai: "Effects of cultural tempernture and illumination conditions on regeneration and development of bulblets in seale cultures of seven Lahum spp." Journal of the Japanese Society for Horticultural Science. (in press).