1997 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫神経細胞の培養とそれを用いた神経作用性物質の作用機構に関する研究
Project/Area Number |
09460023
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本田 洋 筑波大学, 農林学系, 助教授 (90126160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 啓一 筑波大学, 農林学系, 講師 (40282321)
戒能 洋一 筑波大学, 農林学系, 講師 (20183775)
岩淵 喜久男 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00203399)
正野 俊夫 筑波大学, 農林学系, 教授 (80011922)
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Keywords | 植物有毒成分 / アニサチン / ディオスコリン / イオンチャネル / 作用機構 / 神経毒 / 神経細胞 / 細胞培養 |
Research Abstract |
天然植物由来の神経作用性物質の作用機構を神経培養細胞を用いた電気生理学的手法で解析し、以下の知見を得た。 シキミの有毒成分であるアニサチンの作用をホールセルおよびシングルチャネル法によって検討した。アニサチンはホールセルイオン電流を濃度依存的に抑制した。また抑制作用はピクロトキシンと相互作用を示した。アニサチンはイオンチャネルの開頻度が減少させた。以上の結果からアニサチンはイオンチャネルに対して抑制的に作用し、それが生物に対する毒作用のメカニズムであることが明らかになった。熱帯ヤムの有毒成分であるディオスコリンの作用をホールセルおよびシングルチャネル法によって検討した。ディオスコリンはホールセルイオン電流を可逆的に抑制した。また、ディオスコリンはシングルイオン電流にバーストを起こした。以上のことからディオスコリンはイオンチャネルに対してオープンチャネルブロッカーとして作用しており、それが生物に対する毒作用のメカニズムであることが明らかになった。 また昆虫の神経細胞の培養系の確立に必要な培地等の条件を検討し、以下の結果が得た。イエバエ成虫の脳神経細胞の培養をおこなうため、脳組織の解離法ならびに神経細胞の培養法について検討をおこなった。脳組織の解離には、trypsin,dispase,collagenaseなどの酵素を用いて検討した結果、0.1%濃度が細胞の解離に適していた。しかし、脳組織を物理的に切開し、取り出した時の方が細胞の状態は良く、その後の培養経過も良好であった。培地としてはMGM450,M3培地などを用いて調べたところ、一般にハエやカの細胞培養に用いられるM3培地が適していた。
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Research Products
(1 results)