1998 Fiscal Year Annual Research Report
植物成長物質ブラシノステロイドによる低温ストレス軽減作用の解明
Project/Area Number |
09460024
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
安部 浩 東京農工大学, 農学部, 教授 (10015084)
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Keywords | 植物ホルモン / ブラシノステロイド / ブラシノライド / 低温ストレス軽減作用 |
Research Abstract |
1. ブラシノライドBLよる低温ストレス軽減効果 イネ幻植物に低温ストレスがかかったときの生理的障害に対するブラシノライド(BL)の軽減効果を調べた。低温処理前にBL処理し,かつ低温湿度条件下に置いたときに良好な効果が現れた。特に、効果は根の成長に顕在化し、α-ナフチルアミン酸化力が著しく増加することでも確認された。低温ストレスによる根の成長機能低下、これによる養分吸収機能低下がBL処理によって抑制されているので、BLによる低温ストレス耐性や障害軽減の作用が現れることをこれらの結果は示している。 2. BLの代謝 キュウリ幼植物と培養細胞によるBLの代謝において、BLの異性化(BL異性体形成)、次いで、糖や脂肪酸との複合体形成を行うことが確認された。複合体の加水分解で得られたアグリコンは、最も可能性の高かった異性体(2-エピBL)と異なることが合成品との比較で明らかになった。最後に可能性として残された異性体の合成を前段階まで完了した。複合体については幻植物と培養細胞の代謝経路を比較しながら精製を進め、方法を確立した。構造解析のマーカーとなる複合体を合成、スペクトルデータの比較検討を行った。 3. 持続型活性化合物のデザイン 膜透過性が高く、ターゲットサイトへの到達量が多く、インドール酢酸並みの生物活性を有し、合成が容易で、安価で持続性の高い化合物を数種類合成した。それらについて、生物活性を調べ、予想通りの生物活性をもった化合物を得た。
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