1997 Fiscal Year Annual Research Report
植物の感染防御応答へのシグナル機能を持つオキシダティブバーストの分子生理機構
Project/Area Number |
09460027
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
道家 紀志 名古屋大学, 農学部, 教授 (80023472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 博文 名古屋大学, 農学部, 助手 (30240245)
川北 一人 名古屋大学, 農学部, 助教授 (90186065)
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Keywords | O_2NADPH酸化酵素 / 酸素活性の可溶化 / ポリアクリルアミド電気泳動 / p91phox類似遺伝子のクローニング / ゲル内活性測定 / ジャガイモ植物 / オキシダティブバースト / 活性酵素 |
Research Abstract |
植物組織は病原菌の感染やエリシターに対して、誘導性の防御応答示すが、この始動時に活性酸素生成反応が起こる。この反応系は、Ca^<2+>、カルモジュリン、タンパク質リン酸化酵素などの情報伝達システムが関与し活性化され、原形質膜に存在する一種のNADPH酸化酵素であることを示してきた。本研究の初年度ではこの酵素系について次のことを明らかにした。(1)ジャガイモ塊茎原形質膜画分におけるO_2生成NADPH酸化酵素活性を、NADPH依存SOD感受性シトクロムc還元活性を測定し反応速度を解析した。NADPHのKm値は79.4uM、Vmaxは0.140nmole/minの値が得られた。(2) O_2NADPH酸化酵素系は、NADPH酸化酵素の阻害剤で知られているジフェニルイアイオドニウム(DPI)、SH基結合剤およびNADP^+により阻害されたが、呼吸系阻害剤のNaN_3、2,4-DNPおよびアンチマイシンAの阻害は受けなかった。(3)原形質膜画分よりO_2生成NADPH酸化酵素活性画分を非イオン性または両性のデタ-ジェントで可溶化し、これを未変性ポリアクリルアミド電気泳動(native PAGE)にかけ、ゲル内でNADPH依存O_2生成活性バンドをNBTの青色フォルマザン形成を指標に確認した。(4) native PAGEにより、移動動の異なる3本の活性バンドを得て、それぞれの抽出タンパク質をSDS-PAGEかけ共通のタンパク質バンドを分離した。(5)イネおよびアラビドプシスから好中球のNAD (P) H酸化酵素の構成要素であるgp91 phox遺伝子と思われるクローンが単離されたが、双方のアミノ酸配列を比較し保存性の高い領域から、センスおよびアンチセンスプライマーを設定し、ジャガイモのゲノムDNAを鋳型としたPCRを行い、推定されるサイズのDNA断片を得た。(6)このDNA断片をサブクローニングし、塩基配列を決定した結果、イネおよびアラビドプシスのgp91 phox遺伝子と高い相同性を認めた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 川北一人: "植物の感染応答、特に活性酸素について" 植物防疫. 51 (5). 26-29 (1997)
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[Publications] N.Doke: "The oxidative burst : role in signal transduction and plant stress In : Scandaliores, J.D.(ed.) Oxidative burst and the Molecular biology of Antioxidant Defence(分担執筆)" Cold Spring Harbor Laboratory Press, 890 (785-813) (1997)
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[Publications] Doke, N: "The oxidative burst system in plants : a strategic signal transduction system for triggering active defence and for parasites to overcome. In : Kohmoto, K.and Yorder, O.(eds.) Host Specific Toxin Molecular Genetics of Host Specific Toxins in Plant Disease(分担執筆)" Kluwer Academic Publishers(印刷中), (1998)
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[Publications] 道家紀志: "オキシダティブバーストと抵抗性発現(分担執筆)山田哲治3編 植物細胞工学シリーズ8「分子レベルから見た植物の耐病性」" 秀潤社, 193 (115-123) (1997)