1997 Fiscal Year Annual Research Report
Polymyxa菌によって媒介される植物ウイルスの伝搬機構の解析
Project/Area Number |
09460028
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
玉田 哲男 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (10281156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 秀樹 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (40263628)
前田 孚憲 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (10038309)
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Keywords | 植物ウイルス / BNYVV / Polymyxa菌 / ウイルスの伝搬 |
Research Abstract |
1.Polymyxa属菌の寄生性とウイルス伝搬性 従来,Polymyxabetae菌によって伝搬されるbeet necrotic yellow vein virus(BNYVV)の寄生範囲は狭く,テンサイとアカザ科の植物にのみ感染が認められていた.しかし,P.betae菌の遊走子を用いて約50種の植物に対して接種を行った結果,本菌は多くの植物の根に感染することが明らかとなった.大部分の植物の根には休眠胞子の形成は認められなかった.P.betae菌の感染に伴いこれまで非寄主と考えられていた植物にもウイルスが感染することがわかった.とくにNicotianabenthamianaは感受性が高く,容易に全身感染することから,実験植物に好適であると考えられた. 2.ウイルス変異株を用いた伝搬試験 BNYVVに存在するRNA3,RNA4およびRNA5のP.betae菌の伝搬に及ぼす影響について検討した.テンサイを用いた場合,RNA3とRNA4またはRNA4とRNA5の組み合わせをもつウイルスが安定して伝搬された.しかしながら,N.benthami anaを用いた場合には,RNA1とNNA2のみを含む分離株でも効率よく伝搬され,RNA4の効果は認められなかった.このことは,RNA3,RNA4およびRNA5は寄生特異的に機能していることを示唆している. 3.試験管内転写系の確立 BNYVVの菌伝搬に関与する遺伝子RNA3,RNA4およびRNA5のcDNAを作成,プラスミドpUC19にクローニングし,その5'末端にT7プロモタ-配列を付加したクローンを構築した.in vitroでの転写産物をBNYVVのRNA1とRNA2を含む分離株のRNAとともに検定植物に接種したところ,それぞれのゲノムが増殖し,野生株と同じ表現型を示した.以上,RNA3,RNA4およびRNA5について感染性のある転写系を確立した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 玉田哲男: "菌類が媒介する植物ウイルス遺伝子の多様性:分子機構とその応用" 日本植物病理学会 平成9年度植物感染生理談話会. 36-44 (1997)
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[Publications] Lauber,E., Guilley,H., Tamada et al: "Vascular movement of beet necrotic yellow vein virus in Beta macrocarpais probably dependent on an RNA 3 sequence domain rather than a gene product." Journal of General Virology. 79. 385-393 (1998)
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[Publications] 上田一郎・玉田哲男: "植物ウイルスと媒介生物との相互関係、分子レベルからみた植物の耐病性" 細胞工学別冊植物細胞工学シリーズ8.秀潤社, 156-165 (1997)
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[Publications] 玉田哲男: "ビ-トネクロテックイエロウベインウイルス ウイルス学" 朝倉書店, 435-442 (1997)