1997 Fiscal Year Annual Research Report
菌食性線虫アフェレンクス・アベネの系統樹立と保存並びに施用法の開発
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09460030
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
石橋 信義 佐賀大学, 農学部, 教授 (30039333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 栄造 佐賀大学, 農学部, 教授 (60039336)
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Keywords | 菌食性線虫 / アフェレンクス・アベネ / 生物的防除 / 土壌病害 / 大量生産 / 産業廃棄物 |
Research Abstract |
1.産業廃棄物を培地素材とした線虫の大量生産:線虫の大量生産は実際の施用ばかりでなく、実験材料としても常に要求される。従来は植物質産業廃棄物を培地素材としてきたが、本研究では鶏肉加工食品工場からの汚泥を、動物質素材として検討した。その結果、乾燥重量比で工場汚泥1:焼酎カス1の混合物に緑茶出し殻を全体の30%加えた培地8g(乾物量8g、湿量20g)から113万頭が収穫された。この収量は植物質だけの素材よりも良好であった。 2.液体培養を目指したスポンジ培地による大量生産:固形培地は空間を占拠するため、液体培養が望ましい。スポンジ1gに16mlの培養液で Rhizoctonia Solani の培養地とし、それを餌として線虫を培養した。30日後、約100万の線虫が得られた。 3.線虫の施用と保存法の開発:持続性は施用量5×10^4/50cm^2(=1×10^7/m^2)でRhizoctonia solaniに対し施用後4週間の効果が得られた。線虫を乾燥保存(湿度50%に14日間)した後も、防除効果、繁殖力に全く影響はなかった。しかし、乾燥保存後の線虫は湿度100%に1日置いた後、加水しなければならない。 4.線虫系統(strain)の確立:餌糸状菌選好性を系統として樹立するため、九州産19分離株を5種類の糸状菌選好性で8群に分けた。DNAレベルからも確証を得るため、各群から1分離株を任意にとり、RAPD-PCR法でゲノムDNA類似性と糸状菌選好性を対応させた。プライマー20種類を試験して8種類から明瞭なバンドが得られた。本年度は試行的ではあったが、Rhizoctonia菌あるいはFusarium菌における増殖性とは対応性があるようにみられた。さらにPCR-RFLP,アイソザイム電気泳動パターン等で検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 石橋信義: "昆虫病原性線虫の利用" バイオコントロール. 1(1). 3-8 (1997)
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[Publications] 石橋信義: "菌食性線虫Aphelenchus avenaeによる土壌病害の防除" バイオコントロール. 2(1). 8-13 (1998)
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[Publications] Wang,X.D.,E.Kondo,and N.Ishibashi: "Infectivity of entomopathogenic nematode, Steinernema carpocapsae,as affected by the emergence time from the host cadaver." Japanese Journal of Nematology(日本線虫学会誌). 27・1. 1-6 (1997)
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[Publications] Waug,X.D.and N.Ishibashi: "Effects of the precedent infection of the entomopathogenic nematodes,Steinernematidae,on the subsequent invasion of the following infectives." Japanese Journal of Nematology (日本線虫学会誌). 28(印刷中). (1998)
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[Publications] Ali,R.,E.Kondo,& N.Ishibashi: "Effect of temperature on the development and reproduction of D.angustus on fungal mat of Botrytis cinerea." Jpn.J.Nematol.(日本線虫学会誌). 27. 7-13 (1997)
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[Publications] Ali,R.,Y.Fukutoku,& N.Ishibashi: "Effect of Ditylenchus angustus on the growth of the rice plant" Jpn.J.Nematol.27. 51-65 (1997)