1998 Fiscal Year Annual Research Report
菌食性線虫アフェレンクス・アベネの系統樹立と保存並びに施用法の開発
Project/Area Number |
09460030
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Research Institution | SAGA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石橋 信義 佐賀大学, 農学部, 教授 (30039333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 栄造 佐賀大学, 農学部, 教授 (60039336)
田中 欣二 佐賀大学, 農学部, 教授 (50039335)
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Keywords | 菌食性線虫 / アフェレンクス・アベネ / 土壌妨害防除 / 糸状菌選好性 / 系統確立 / 整剤化 / 混合施用 / 総合防除 |
Research Abstract |
1) 線虫系統の確立:九州、沖縄、関東から採集した39分離株はすべてAphelenchus avenaeと同定された。これらは、25℃または30℃での繁殖、奇主範囲の大小について5つのグループに分けられた。39分離株をPCR-RLFPとPOR-RAPD法により、rDNAの相同性を検討した。DNA増幅産物は全て0.9kbpで沖縄、鹿児島が近縁となり、5グループに分けられた。温度選好性は多少関連があるやにみられたが、奇主選好性と関連性はなかった。従って、奇主糸状菌選好性は多分に適応現象と見られる。 2) 製剤化:本線虫の製剤化は容易と予測された。培地組成は産業廃棄物であるから肥料として土壌に還元することが望ましい。従って、培地と線虫を混合して製剤化し、土壌に施用できるように検討した。培養後の培地を乾燥固形化し、ペレットとしてその中に線虫を注入した。ペレットの水分を20-25%として乾燥処理した場合が最も生存し完全に乾燥した後の回収は6ヶ月後も80%と高かった。培地と共に製剤とした場合の利点は、急速な乾燥処理が可能で、また長期乾燥保存から加水する場合も、ペレットを直接水中に入れてもいいことである。通常は土壌に施用するので蘇生時の危険性は更に低下する。乾燥処理の線虫の行動からみると、20-25%の水分で線虫は小塊となりやすい。このことが生存率を高めたものと推察する。 3) 施用法:本線虫と線虫寄生細菌Pastruria penetrans(Pp)の混合施用で病害とネコブセンチュウの同時防除の可能性を検討した。その結果、互いの効果に何ら影響することなく、同時防除は可能であることが判明した。更に土壌害虫をBtで防除することを射程に入れ、本線虫、Pp、Btの3者混合施用を検討した。その結果、これら生物的防除材の混合施用で土壌病害、線虫害、虫害の総合防除が可能であることを提唱する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ishibashi,Nobuyoshi: "Possible integration of beneficial nematodes and microbial agents for biocontrol of soil pests." Japanese Journal of Nematology. 28(suppl). 28-35 (1998)
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[Publications] Ishibashi,N.& X.D.Wang: "Infection behavior for species maintenence in steinernematid nematodes." Proceedings of VIIth International Colloquium of Invertebrate Pathology and microbial control.sapporo. 28-32 (1998)
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[Publications] Ali.Md.Rustom and N.Ishibashi: "The fungivorous nematode,Aphelenchus avenae,isolates from kyushu,Japan,and their host preference etc." Japanese Journal of Nematology. 29(印刷中). (1999)
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[Publications] Ishibashi,N.and Md.R.Ali,& M.Saramoto: "Mass-production of fungivorous nematode,Aphelenchus avenae,on industrial wastes or by-products of plant and animal origin" Japanese Journal of Nematology. 29(印刷中). (1999)
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[Publications] Ali.Md.Rustom and N.Ishibashi: "genetic diversity among isolates of fungivorous nematode,Aphelenchus avenae,from Kyushu and Okinawa in Japan." Japanese Journal of Nematology. 29(発表予定).
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[Publications] Wang,X.D.and N.Ishibashi: "Infectivity of the entomopathogenic nematode,Steinernema carpocapsae,as affected by the presence of S.glaseri." Journal of Nematology(USA). 31(印刷中).
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[Publications] Ishibashi,Nobuyoshi: "Behaviour : Behaviour of Entomopathogenic Nematodes" Hewitt Publisher UK, 800-1000 (1999)