1998 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原糸状菌の侵入器官の形態分化と環境応答機構の解析
Project/Area Number |
09460031
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
久保 康之 京都府立大学, 農学部, 助教授 (80183797)
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Keywords | 植物病原糸状菌 / ウリ類炭そ病菌 / イネいもち病菌 / 侵入器官 / 付着器 / 形態分化 / 環境応答 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
1. 付着器の形態分化時に特異的に発現する遺伝子の探索、および構造・機能解析 ウリ類炭そ病菌の侵入器官の形態分化に特異的な遺伝子をクローニングするシステムを構築することを目的とし、付着器形成時発現遺伝子のcDNAライブラリーを作製した。このライブラリーについてDifferential screening法により付着器形成時特異的に発現するcDNAの選抜を行い、選抜したクローンについて菌糸生育時と付着器形成時の両RNAを用いたRNAブロット分析を行った。その結果、付着器形成時に特異的に発現しているとみられる12種のcDNAを同定した。その内の3種のクローンの遺伝子配列を決定し、遺伝子破壊実験により昨日解析を行っている。 2. 付着器の形態分化を誘導する環境要因と環境応答機構の解析 付着器の形態分化と外的環境刺激の関係を明らかにすることを目的とし、研究を行った。ウリ類炭そ病菌では胞子下の基質の親水性・疎水性が発芽能に関与していること、また、植物葉表面の可溶性成分が発芽を誘導してることを示す実験データを得た。さらにcAMPおよびcAMP依存蛋白質リン酸化酵素が信号伝達系の1つとして関与している可能性を示唆する実験結果を得た。イネいもち病菌を用いた実験では胞子下の基質の親水性・疎水性を界面活性剤により制御できるシステムを構築し、発芽、付着器形成に対する影響を検討し、付着器の形成には持続的な疎水性シグナルが必要であること、一過的な親水性条件は付着器形成を阻害しないことを示唆する実験結果を得た。 3. タッギング法による形態形成異常挿入変異株の分離 プラスミド挿入による付着器形成異常、病原性欠損変異株の分離に成功した。変異株の形質からシグナル伝達系の欠損株と予想され、欠損遺伝子のクローニングを試みている。
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