1998 Fiscal Year Annual Research Report
生理機能解析をめざした光学活性な有用生物活性物質の合成研究
Project/Area Number |
09460056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北原 武 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40087573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 秀典 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00202416)
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Keywords | 生物活性物質 / 光学活性体合成 / 構造活性相関 / 細胞周期阻害剤 / 昆虫摂食阻害剤 / 植物成長調節剤 / ビオチン誘導体 |
Research Abstract |
1. 細胞周期特異的阻害剤で分化誘導能を有するRadicicolおよび Acetonaphthalidineの合成及び機能解析のための類縁体合成、さらには結合蛋白精製への道を探った。その結果Radicicolの新規合成法を確立した。またビオチン誘導体を用い、従来と異なる結合蛋白の存在が明らかになった。Acetophthalidinの誘導体の合成にも成功し、生物試験の結果、類縁体にも活性があることが明らかになった。細胞周期阻害作用を持つPreussin及び類縁体の合成研究を行い、選択的な合成に成功した。さらに、非選択的な合成により、可能な8種全ての立体異性体も合成し、活性検定を行ったところ、全てに同様な活性があるという、結果を得ている。 2. 植物毒素、Sorokinianinのみならず、関連した植物成長調節作用を持つPironetin,Spicifernin,Brevicompanine類の合成にも成功した。Pironetinについては、関連類縁体各種の合成により、構造ー活性相関も行って、種々情報を得ている。特に子の物質の持つ細胞周期阻害活性に関して、その機能解明への道が開かれつつある。 3. 植物保護に関わる各種天然物及び類縁体の合成に成功した。昆虫の摂食阻害物質は、環境にソフトな農薬としての可能性を秘めている。その一つAzadirachtinについては、世界で初めて基本的な骨格構築に成功しており、今後全合成への道を開いて行きたい。関連するジテルペンTanabalinの非常に簡単な合成にも成功し、今後この手法を一般化して、関連Clerodane型の生物活性物質合成に応用する予定である。そのほか、幼若ホルモン阻害物質Bevioximeや、貝殻虫のフェロモンの簡便合成法などにも成功した。
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[Publications] T.Kitahara他2名: "Novel Synthetic Approach Towards Phytosiderophores : Expeditious Synthesis of Nicotianamine and Deoxymugineic Acid." Tetrahedron Lett.39, 89-92.39・1. 89-92 (1998)
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[Publications] 北原武他1名: "Synthesis of a Glycosidic Precursor of Isomeric Marmelo Oxides, Volatile Components of Quince Fruit, Cydonia oblonga." J.Nat.Prod.61・4. 551-554 (1998)
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[Publications] 北原武他4名: "Synthesis and Bioactivities of Acetophthalidin and Its Derivatives." Heterocycles. 48・10. 2049-2060 (1998)
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[Publications] 北原武他2名: "Synthesis of Both Enantiomers of Hybripyranone." Tetrahedron. 54・31. 8975-8984 (1998)
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[Publications] 北原武他2名: "Total Synthesis of (-) -Pironetin." Tetrahedron Lett.39・45. 8313-8316 (1998)
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[Publications] 北原武他1名: "Enantioselective Synthesis of Bioactive Molecules Related to Plant Protection and Physiology." J.Synth.Org.Chem.Jpn.56・11. 884-895 (1998)