1999 Fiscal Year Annual Research Report
微生物由来の細胞周期阻害剤の単離と作用機作に関する研究
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09460058
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長田 裕之 理化学研究所, 抗生物質研究室, 主任研究員 (80160836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 健郎 理化学研究所, 抗生物質研究室, 研究員 (60281648)
植木 雅志 理化学研究所, 抗生物質研究室, 研究員 (90312264)
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Keywords | 細胞周期阻害剤 / 微小管 / チューブリン / ピロネチン / ビオチン標識 |
Research Abstract |
本研究課題では、微生物代謝産物から動物細胞の細胞周期進行を阻害する化合物を単離し、その化学構造の決定、化学修飾、構造活性相関を明らかにするとともに、阻害剤をプローブとして細胞周期の制御機構の解析を目的とする。今年度は、細胞周期のM期阻害剤であるピロネチンの標的因子がチューブリンであることを明らかにした。 ラット線維芽細胞3Y1をピロネチンで処理すると、チューブリンネットワークが消失した。牛脳から微小管たんぱく質を精製し、ピロネチンがin vitroでも微小管重合を阻害することを明らかにした。放射標識したチューブリン作用薬(コルヒチン、ビンブラスチン)との競争実験により、チューブリンへのピロネチンの作用部位は、ビンカアルカロイドの結合部位近傍であることが示された。さらに、ビオチン標識ピロネチンを合成してチューブリンへの結合を検討した結果、ピロネチンは他の細胞内蛋白質にはほとんど結合せずチューブリンに特異的に共有結合することが明らかとなった。これまでに知られている薬剤とチューブリンとの結合は可逆的であったが、ピロネチンはチューブリンと共有結合するので、結合部位などに関する詳細な研究が可能になった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Kagamizono: "Phosphatoquinones A and B, novel tryosine phosphatase inhibitors produced by Streptomyces sp"J.Antibiot.. 52. 75-80 (1999)
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[Publications] H.Kakeya: "Cytoxazone : A novel cytokine modulator containing a 2-oxazolidinone ring produced by Streptomyces sp"J.Org.Chem.. 64. 1052-1105 (1999)
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[Publications] T.Usui: "Protein phosphatase 2A inhibitors, phoslactomycins. Effects on the cytoskeleton in NIH/3T3 cells"J.Biochem.. 125. 960-965 (1999)
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[Publications] M.Kondoh: "Apoptosis induction via microtubule disassembly by an antitumour compound, pironetin"Biochem.J.. 340. 411-416 (1999)
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[Publications] M.Watabe: "Requirement of protein kinase (Krs/MST) activation for MT-21-induced apoptosis"Oncogen.. 18. 5211-5220 (1999)
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[Publications] M.Watabe: "Activation of MST/Krs and c-jun terminal kinases by dufferent signaling pathways during cytotrienin A-induced apoptosis"J.Biol.Chem.. (in press). (1999)
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[Publications] 富樫謙一: "がん治療標的としてのテロメレース"バイオインダストリー. 57. 30-33 (1999)