1997 Fiscal Year Annual Research Report
自食作用系タンパク質分解にかかわる細胞内調節因子群の研究
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09460061
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
門脇 基二 新潟大学, 農学部, 助教授 (90126029)
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Keywords | 自食作用 / タンパク質分解 / α-トキシン / ストレプトリジンO / アミノ酸 / グルカゴン / リン酸化 / GTP結合タンパク質 |
Research Abstract |
本研究は、細胞内における大規模なタンパク質分会を担うオートファジ-(自食作用)の調節にかかわる未知の物質群を検索する試みである。本年度の研究計画に基づいて得られた成果は以下の通りである。 A.アミノ酸の情報伝達因子の検索:バイオアッセイ系としての膜透過性細胞作成に用いる最近毒素α-トキシンに問題が起こった。各国の研究者から入手して検討したが、安定供給のめどが立たず、結局我々自身で作成し、使用に耐える毒素を作成できた。これを用いてテストしたところ、調節アミノ酸で刺激した肝臓抽出物では再現性のあるタンパク分解抑制作用が認められたが、非調節アミノ酸からのものでは抑制作用はなかった。この低分子活性画分は熱に安定であり、酸・中性で安定、アルカリ性で失活した。イオン交換樹脂での実験では陽イオンである可能性を示したが、酢酸エチルによる溶媒抽出では逆に中・酸性の可能性を示した。 B.グルカゴンによりリン酸化されるタンパク質について:自食作用性タンパク質分解を促進するグルカゴン作用に注目し、自食作用のおこる粗リソソーム画分中に標的タンパク質を検索した。^<32>Pラベルによるin vivoリン酸化によりグルカゴンで特異的にリン酸化を受ける49kDaのタンパク質(pp49)が検出された。このタンパク質のリン酸化はグルカゴンによるタンパク質分解促進作用と同調したことから、標的タンパク質である可能性が高い。現在、この単離・精製を目指してヒドロキシアパタイト、逆相HPLCなどの精製をおこなっている。 C.自食作用成熟段階にかかわるGTP結合タンパク質について:本計画では細菌毒素ストレプトリジンO(SLO)を膜透過性細胞作成に用いているが、サイトゾル中の低分子量GTPaseがこの成熟段階にかかわる候補としてあがってきた段階でSLO標品に問題が出てきた。現在、標品毎の膜透過処理特性を、他の試薬(pore-forming agents)の活用の可能性も含めて再検討している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kadowaki,M and Mortimore,G.E.: "Proteolysis in Cell Functions (ed. by Hopsu-Havu, V.K. et al.)" IOS Press, Amsterdam, 576 (1997)