1998 Fiscal Year Annual Research Report
植物性IgE抗体産生誘導タンパク質の検索と分子構造の解析
Project/Area Number |
09460063
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小川 正 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (80027193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 真順美 岡山県立大学, 保健福祉学科, 助教授 (40108866)
森山 達哉 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (60239704)
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Keywords | 植物性食品素材 / アレルゲン / 共通抗原 / 糖鎖アレルゲン / IgE抗体産生誘導 / 大豆アレルゲン / ホースラデイッシュペルオキシダーゼ / パタチン |
Research Abstract |
植物性食品素材をアレルゲンとする食物アレルギー患者が増加の傾向にある。要因の一つに、植物界に相同性の高い交差反応性のあるタンパク質が広く存在する可能性が指摘されている。1 {目的}本研究は食物アレルギー患者の血清を用いて、そのIgE抗体が結合するタンパク質成分を広くスクリーニングし、アレルゲンの特性を解明する事を目的としている。2 {方法}日常の代表的植物性食品素材として、ジャガイモ、ニンジン、ナス、カボチャ、エンドウ、大豆、小麦などから構成タンパク質を抽出し、SDS-PAGEとイムノブロットによりIgE結合タンパク質を特定した。個々のタンパク質成分を同定すると同時に、交差反応性についてアスパラギン結合高マンノース型糖鎖を中心に抗西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体(antiHRP)を利用して検討した。3 {結果}多くの植物性食品素材においてIgE結合性タンパク質成分が観察された。それらの多くはanltiHRP前処理によって患者IgE抗体との反応性を失った。即ち、高マンノース型糖鎖を共通エピトープとするアレルゲンタンパク質が分布する可能性を強く示唆した。この事実は、1カ所糖鎖を有するGlymBd30K(GM30K)と大腸菌発現無糖鎖リコンビナントGM30Kの患者血清による交差反応性の差からも裏付けされた。また、ジャガイモよりIgE抗体に強く認識される成分として主要タンパク質成分の一つであるパタチンを同定したが、この成分も糖鎖をエピトープとすることを立証した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Ogawa: "Substantially Complete Removal of Three Major Allergenic Soybean Protein (Gly m Bd 30K, Gly m Bd 28K, and α-Subunit of β-Conglycinin) from Soy Protein by Using a Mutant Soybean, Tohoku 124." Biosci.Biotech.Biochem.61. 2148-2150 (1997)
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[Publications] T.Ogawa: "Purification and Characterization of Soybean Allergen Gly m Bd 28K." Biosci.Biotech.Biochem.61. 942-947 (1997)
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[Publications] T.Ogawa: "Micro-Assay Method for Evaluating the Allergenicity pg the Major Soybean Allergen, Gly m Bd 30K, with Mouse Antiserum and RBL-2H3 Cells." Biosci.Biotech.Biochem.61. 19-23 (1997)
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[Publications] T.Ogawa: "Fate of a Major Soybean Allergen, Gly m Bd 30K, in Rice-, Barley-, and Soybean- Koji Miso (Fermented Soybean Paste) during Fermentation." Food Sci.Technol.Int.Tokyo. 3. 145-149 (1997)
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[Publications] T.Ogawa: "Effect of Polysaccharide Conjugation or Transglutaminase Treatment on the Allergenicity and Functional Porperties of Soybean Protein." J.Agr.Food Chem.46. 866-871 (1998)