1997 Fiscal Year Annual Research Report
リグノセルロース原料を用いた木質セメントボードの迅速硬化技術の開発とその高性能化
Project/Area Number |
09460078
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川井 秀一 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (00135609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧野 眞二郎 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (90115874)
小松 幸平 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (20283674)
永富 辧 ニチハ株式会社, 開発研究所, 第一部長
畑 俊充 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (10243099)
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Keywords | 木貭セメントボード / セメント / 硬化阻害 / 竹 / リグノセルロース |
Research Abstract |
竹、オイルパームフロンドやEFB等、各種の非木材リグノセルロース原料のセメントへの親和性を明らかにするために、木質-セメント混合物の水和反応熱を測定し、適合係数ならびに阻害係数を算出した。その結果、これら非木材リグノセルロースはセメント硬化を阻害することが判明したが、一方、前処理や添加剤によって硬化阻害性はある程度改善されることを明らかにした。 また、主要備品である熱分析装置によって、木質-セメント混合物の水和過程の熱特性解析を試み、これらの手法がセメント硬化過程の特性把握に有効であることを予備的に明らかにした。 また、これら一連の基礎実験の結果を基に、例えば、ケイ酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどの適当な添加剤を加え、蒸気噴射プレス法を適用することによって、竹質セメントボードの迅速成形に成功した。添加剤の種類、添加率、蒸気温度。熱圧時間など、各種製造因子がボードの材質に及ぼす影響を検討して、その最適条件を求め、ボードの材質が十分に実用的なレベルに達していることを明らかにした。 これらの結果の一部は、日本木材学会誌に掲載されるとともに、現在、関連論文2報を同学会誌に投稿中である。
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