1997 Fiscal Year Annual Research Report
魚類寄生単生類の孵化幼生における宿主認識と着底機構
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09460083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 和夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20092174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
良永 知義 水産庁中央水産研究所, 生物機能部, 室長
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Keywords | 単生類 / 寄生虫 / オンコミラシジウム / レクチン / Neobenedenia girellae / Benedenia seriolae |
Research Abstract |
魚類養殖上おおきな問題となっている単生類は,孵化幼虫が魚体表の何らかの物質によって宿主を認識したのち体表上に着底すると考えられている。しかし,その物質の本態については全く分かっていない。そこで,着底誘導物質の性質解明および精製を目的に以下の実験を行った。 1.宿主特異性の低い体表寄生性の Neobenedenia girellae とブリ類の体表にのみ寄生する Benedenia seriolae について,魚体表上皮抽出物中の着底誘導活性の測定法を開発した。この測定法を用いて,着底誘導活性の性質を検討した。その結果,両種において活性に魚種間の差はほとんど無いこと,誘導活性は熱耐性であることが明らかとなった。 2.誘導活性は特定のレクチンによって阻害され,N.girellaeではWGAが,B.seriolae後者ではCon Aが阻害することが明らかとなった。この結果,着底誘導物質は糖蛋白あるいは多糖等の糖関連物質であることが示唆された。 3.上記で開発した活性測定法を用いて N.girellae孵化幼虫に対するヒラメ体表上皮抽出物中の着底誘導物質の精製を試みた。着底誘導物質は陰イオン交換樹脂(Bio rad,Macro-prep high Q support)でNaCl濃度0.2-0.3Mで溶出され,ゲルろ過(Pharmacia,Sephacryl S-400)では排除限界以上の分子量を示した。しかしながら,未だ完全精製にはいたっていない。
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