1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09460089
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹村 暘 長崎大学, 水産学部, 教授 (70039725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小井土 隆 九州大学, 水産学部, 講師 (20215164)
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Keywords | シグネチュアーホイッスル / ハンドウイルカ / 天草通詞島 / 社会行動 / 個体識別 / 個体群 |
Research Abstract |
本年はハンドウイルカの群の移動にへ併走する形で鳴音の収録を行った。その結果、総計153種のシグネチュアーホイッスル(SW)と103種のホイッスル(W)が分類された。'95に行った手漕ぎボ-トでの収録に比べSWの占める割合が飛躍的に増大し、同一のイルカが使用すると言われているSWの占める割合に近づいた。同じ観測時間帯にしか使用されないSWは極めて少なった。月が変わっても、また、'95にSWとして記録されたもの60種の内27種が本年も確認されるなど、SWには恒常性があることが確かめられた。これらの鳴音の発生状況から、使用頻度の高いときと全く聞かれないときが存在することが明らかになった。滞留しているときには盛んに発音しているが、高速遊泳時には殆ど録音されていない。またSWの聞かれるときには、数種〜十数種のSWが含まれており、同時に発生するSWの関係から、いくつかのSWどうしの関連が高いことが示唆されている。これらが個々の個体のSWとする考えが高いことから、個体との関係を更に追求すると共に、個体どうしの関係を明らかにし、その社会構造についても踏み込んでいける可能性が高くなった。本個体群が数百頭よりなると推定されているが、SWがすでに153種収録されていることから本個体群のかなりの割合のSWはすでに入手できたと考えられる。 同時に背鰭の写真撮影を行うことによって上記の裏付けにもなる個体識別を行っているが、こちらの方はSWとの関係を述べるほどのデータはまだ集まっていない。
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