1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09460108
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 強 京都大学, 農学研究科, 教授 (80021707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
治多 伸介 愛媛大学, 農学部, 助教授 (60218659)
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Keywords | 自然浄化機能 / 水質保全対策 / 水田排水 / 循環かんがい / 現地実態調査 |
Research Abstract |
1.水路やため池等の自然浄化機能を活用した農村地域の水質保全対策を明らかにするために、今年度はまず、滋賀県安土町の小中の湖干拓地において、11ヶ所の採水地点を設けて、水田地域からの排水について実態調査を行った。結果は以下の通り。 (1)水田の落水口に直接接する小排水路の水質は、4月下旬から5月上旬の代かき期に非常に高くなるが、幹線排水路の水質は代かき期とともに、降雨時にも上昇する。このことから、代かき期に圃場から泥土とともに流出した汚濁物質は、いったん幹線排水路に沈殿し、その後の降雨排水時にまきあげられて地区外に流出するという実態がわかった。 (2)各水質項目のうち、窒素だけは代かき期より非灌漑期の方が濃度が高くなるが、非灌漑期には水路を流れる水は生活雑排水が主になるためであると考えられる。 (3)外部水系である西の湖への影響を見ると、有機汚濁物質やT-Pについては代かき期と降雨時排水の影響が大きいが、窒素については非灌漑期の影響が大きいことがわかった。 (4)外部への流出負荷を軽減するためには、幹線排水路における泥土の浚渫の効果が大きいと考えられた。さらには、幹線排水路末端に沈殿池を設けるか、循環灌漑を行うことの効果が大きいことが示唆された。 2.集落排水処理水を循環灌漑することにより、水田の自然浄化機能を活用した水質保全対策についても、愛媛県伊豫市において調査地区を設けて予備調査を開始したところである。
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