1998 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織が分泌する新規ホルモン-レプチン-の畜産学領域への応用
Project/Area Number |
09460126
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 秀雄 京都大学, 農学研究科, 教授 (20026587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 伸一郎 京都大学, 農学研究科, 助手 (50263132)
松井 徹 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40181680)
河田 照雄 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10177701)
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Keywords | レプチン / 脂肪組織 / ウシ / ヒツジ |
Research Abstract |
昨年度作製した抗マウスレプチン抗血清を用い、ウシのレプチンとの免疫学的交差性ならびにその抗体価を検討したところ、交差性は有するがその抗体価は低く免疫学的測定には用いることができないことが明らかとなった。次に、ウシレプチン抗血清を作成し、その抗体価を検討したがその抗体価は低く免疫学的測定には不十分であった。そこで、市販の抗ヒトレプチン抗血清を用いて、メンヨウならびにウシのレプチン濃度測定を試みたところ、この抗体は反駄芻家畜のレプチンと免疫学的に交差し、抗体価も満足できるものであり、この抗血清を用いることにより反芻家畜の血清中レプチン濃度測定が可能であることが示された。次いで、日内変動を検討するために、メンヨウから15分間隔で採血を行い血漿中レプチン濃度の測定を行ったところ、血漿中レプチン濃度は脈動性を有すること、飼料摂取の影響を受けないこと、日周性を有しないことが示された。一方、ヒトにおいて報告されているような血漿中コルチゾールとの関連は認められなかった。また、肥育牛血清中レプチン濃度を測定したところ、食滞を発症している肥育牛では血漿中レプチン濃度が低下していることが示され、この食滞はレプチン濃度上昇が原因ではなく、採食量減少により血漿中レプチン濃度が低下することが示唆された。現在、肥育段階の進行に伴う血中レプチン濃度の変化ならびに血中レプチン濃度と肉質の関連を検討するために肥育中のウシから経時的に採血を行っている。また、ウシ脂肪組織から脂肪細胞を単離・培養し、細胞径の異なる脂肪細胞を分別し、脂肪細胞の径の相違がレプチン分泌能に及ぼす影響を検討している。
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