1997 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ活性化卵子の初期発生能ならびに単為発生胚の初期胚特異タンパク質の発現性
Project/Area Number |
09460129
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三宅 正史 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60093316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅林 賢臣 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 学術振興会特別研究員
原山 洋 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (30281140)
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Keywords | 単為発生 / 体外初期発生 / 体内発生限界 / ブタ |
Research Abstract |
体外成熟したブタ卵母細胞に,1,500V/cm, pulse幅100μsecの単矩形波を1回与えて活性化を誘起した。ついで5.0μg/ml CBを含む培養液で4時間培養液して倍数化した活性化卵母細胞を用いて,以下のことを調べた。 1.培養液浸透圧がブタ活性化卵子の初期体外発生に及ぼす影響:低浸透圧(254mOsm)系のWM培養液と4種類の等浸透圧系培養液(309mOsm)中で,活性化後48時間まで培養した。48時間後すべてWMに移して活性化後168時間まで培養液した。等浸透圧培養液には,修正KRB (mKRB), NaCl添加WM (WM-Na), mannitol添加WM (WM-Mn),蒸留水を減少したWM (WM-Hg)を用いた。すべての培養液には500μg/mlヒアルロン酸と4.0mg/ml BSAを添加した。その結果,活性化後48時間をどの等浸透圧系培養液で培養しても,胚盤胞への発生率が大幅に改善され,この間の浸透圧が,コンパクションあるいは杯盤胞形成に影響することが明らかになった。 2.ブタ活性化2倍体の体内発生能力ならびに発生限界について:活性化後サイトカラシンBで倍数化処理を行い,48〜72時間後,2〜4細胞に発生した単為発生体を,スタンディング発情を0日として,発情2.0〜2.5日の卵管に移植した。発情周期と胚の日齢(day post activation)差が1.0日以内の場合は高い着床率(39〜71%)が得られ,1.5日を超えると着床率が非常に低いか,着床しなかった。最高25dpaの生存胎子が得られた。 以上の結果から,1)ブタ活性化卵母細胞の発生に,培養液の浸透圧は発生段階特異的に影響し,検討範囲でのNa^+/K^+は初期発生に関与しないこと,2.活性化体外成熟ブタ卵母細胞の50〜60%が杯盤胞以降に発生する培養系が確立され,受精卵子に応用できること,3.ブタ単為発生体は体内で着床初期の胎子までの発生能を持つが,発育遅延,小頭,尿嚢発育遅延などの異常が認められることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M. Miyake: "Electro-activation of in vitro-matured porcine oocytes and their development in vitro, In "Reproductive Biology Update"" Shoukadoh Booksellers Co., Ltd, Kyoto Japan (Eds. H. Miyamoto and N. Manabe), 117-127 (1998)