1998 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ活性化卵子の初期発生能ならびに単為発生胚の初期胚特異タンパク質の発現性
Project/Area Number |
09460129
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三宅 正史 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60093316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅林 賢臣 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 日本学術振興会特別研
原山 洋 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (30281140)
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Keywords | 単為発生 / 体外初期発生 / 体内発生限界 / ブタ |
Research Abstract |
電気刺激により高率に活性化するブタ体外成熟卵母細胞を用いて,ブタ初期胚の培養系を確立するため,浸透圧ならびにBSAをPVAに置換する可能性について検討した。 1. ブタ初期胚では,最初2回の細胞分裂付近以降には低浸透圧環境を要求するのに対し,それ以前は比較的高めの等浸透圧環境を必要とすることから(昨年度),初期分割期に最適な浸透圧(256〜330mOsmol)と,その後低浸透圧を要求する時期(24,48,72時間)について検討した。初期分割過程に280〜320mOsmolの範囲で培養された活性化卵母細胞は,桑実胚以降への発生率が有意に改善された。なかでも290mOsmolでは,その割合は68%に達した。低浸透圧環境への要求性の移行時期について検討した結果,活性化後24時間を等浸透圧で培養してもその後の発生に効果が見られず,48あるいは72時間等浸透圧で培養した場合に,胚盤胞への発生率(68〜71%)が大幅に改善された。これらの結果からブタ活性化卵子の体外発生には,活性化後24時間から48時間,すなわち2細胞期に等浸透圧環境に置かれることが重要であることが明らかになった。この時期の環境浸透圧は,コンパクションに関連した現象に強く影響することが示唆された。 2. 受精卵や胚の発生特性を解析するには,既知成分で構成される培養液の作成が必要である。上記の培養液に含まれるウシ血清アルブミン(BSA)を合成高分子化合物のポリビニルアルコール(PVA)に置換したところ,0.5mg/ml以上のPVAが存在すれば,胚盤胞までの発生率はBSAと同等であった。しかし,拡張胚盤胞に発生する胚はPVAでは有意に低く,胚盤胞の拡張にタンパク質あるいはアミノ酸の必要性が強く示唆された。 3. 移植により,30dpaの生存胎子が採取され,発生限界は30日以上であることを確認したが,胎子の生存率は25日までに比べてかなり低かった。また,NMR画像により,頭部に胞状構造の存在が示唆されている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Miyake: "Electro-activation of in vitro-matured porcine oocytes and their development in vitro,In "Reproductive Biology Update"" Shoukadoh Booksellers Co.,Ltd,Kyoto, Japan (Eds.H.Miyamoto and N.Manabe), 117-127(490) (1998)
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[Publications] Kure-bayashi: "In vitro development of porcine fertilized eggs,In "Reproductive Biology Update"" Shoukadoh Booksellers Co.,Ltd,Kyoto,Japan (Eds.H.Miyamoto and N.Manabe), 129-135(490) (1998)