2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09460130
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
小野寺 良次 宮崎大学, 農学部, 教授 (60040862)
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Keywords | ルーメンプロトゾア / Entodinium caudatum / cDNAライブラリー / チューブリン遺伝子 / コドンユーセジ / ユニバーサルコドン / テトラヒメナコドン / 免疫抗体プローブ |
Research Abstract |
本研究は、反芻家畜の栄養学の観点から、遺伝子組換えによりルーメンプロトゾア体タンパク質の宿主に対する栄養価を改善することを最終目標としている。しかし、Tetrahymenaなどのプロトゾアは、遺伝子発現に際し、終止コドンなどがユニバーサルコドンから逸脱していることが知られているので、ルーメンプロトゾアについても、まずコドンの使い方を知ることが重要となる。本研究では、ルーメンプロトゾアの遺伝子発現時のコドンの使い方を調査することを目的として、平成12年度は、ルーメンプロトゾアEntodinium caudatumのmRNAからcDNAライブラリーを新に作成して、フィターゼ遺伝子のスクリーニングを試みた。スクリーニング開始後、すぐにポジテイブプラーク(寒天培地中のフィチンによる白濁の消失)が現れた。そこで、インサートをプラスミドに変換し、塩基配列を決定してみた結果、既知のフィターゼ遺伝子との相同性はまったくなかった。その後、最近の研究報告(Bacら,1999)を見ると、寒天培地中のフィチンによる白濁は、ホストが産生する酸によってもフィチンは分解されたようにクリアになることがあるとのことである。目下、Baeら(1999)の方法によるスクリーニング法で、あらためてスクリーニングを開始している。他方、キトサナーゼ遺伝子のスクリーニングでは、ポジテイブプラークは、まだあらわれていない。キチナーゼ遺伝子は取れているので、もう少し探すことにしている。また、酸性ホスファターゼ遺伝子については、部分的に塩基配列を決定した。この中では、終止コドンはTAAであり、やはりこの酵素もユニバーサルコドンによっていると考えられた。今後、さらに全塩基配列を決める予定である。したがって、これまでの結果からルーメンプロトゾアの遺伝子発現コドンとしては、ユニバーサルコドンが使われていると考えられた。
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[Publications] K.Komatani,R.Onodera ほか3: "Further trial of molecular cloning of a chitinase gene from a rumen protozoon, Entodinium caudatum."ルーメン研究会報. 11(2). 73 (2000)
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[Publications] C.J.Newbold,R.Onodera ほか4: "Properties of bacteriolytic activities from the rumen ciliate protozoan, Entodinium caudatum."ルーメン研究会報. 11(2). 86 (2000)
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[Publications] 岩田由香,小野寺良次 ほか7: "ルーメンプロトゾアEntodinium caudatumのチューブリン遺伝子のクローニング(I)"原生動物学雑誌. 32. 74 (1999)
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[Publications] 池田太郎,小野寺良次 ほか4: "ルーメンプロトゾアEntodinium caudatumのN-acetyl-β-D-glucosaminidaseの精製"原生動物学雑誌,. 32. 63 (1999)
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[Publications] 駒谷謙司,小野寺良次 ほか4: "ルーメンプロトゾアEntodinium caudatumのキチナーゼ遺伝子のクローニング(II)"原生動物学雑誌. 31. 50 (1998)
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[Publications] S.C.P.Eschenlauer,R.Onodera ほか4.: "Phylogentic position and codon usage of two centrin genes from the rumen ciliate protozoon, Entodinium caudatum."FEMS Microbiol.Lett.. 166. 147-154 (1998)
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[Publications] R.J.Wallace,R.Onodera ほか1: "The Rumen Microbial Ecosystem (2nd Edition)"Blackie Academic & Professional, London. 719 (1997)
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[Publications] R.Onodera,M.R.Amin ほか1: "Rumen Microbes and Digestive Physiology in Ruminants"Japan Science Society Press, Tokyo and S.Karger, Basel. 259 (1997)