1998 Fiscal Year Annual Research Report
脳内インターロイキン1:ストレス反応のメディエーターとしての新しい役割
Project/Area Number |
09460132
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
斎藤 昌之 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (80036441)
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Keywords | インターロイキン1 / ストレス / 脳 / 交感神経 / リンパ球 |
Research Abstract |
各種のストレスによって免疫機能が修飾されることが広く知られており、獣医畜産領域においても、家畜の移動や過密飼育に起因する生体防御機能の低下などが問題となっている。本研究では、これを脳-免疫相関として捉えその中枢機構について、特に脳内インターロイキン(IL)-1に焦点を当てて研究を行い、以下の成果を得た。ラットおよびマウスを実験動物として用い、1時間の電撃や拘束ストレスを与え、脾臓リンパ球を分離して幼若化反応調べたところ、著明に減弱しており、ストレスによる免疫抑制の実験モデルとして利用できることが確認された。また、脾臓や肝臓からmRNAを抽出して各種サイト力インの発現を調べると、IL-6,IL-1、腫瘍壊死因子のmRNA発現が増加することも見出された。同様の末梢免疫応答は脳室内に微量のIL-1を投与した場合にも観察され、しかも、いずれも交感神経を外科的にあるいは薬物を用いて遮断することによってほぼ消失した。ストレス負荷やIL-1脳内投与が交感神経を活性化することは既に観察済みである。従って、上記のようなストレスによる末梢免疫応答は、脳内のIL-1を介して交感神経が活性化されることによって引き起こされたものと結論した。実際にストレス負荷後の脳内IL-1mRNAの発現をRT-PCR法で調べたところ、大幅に増加することが確認された。更に、IL-1に対する特異抗体を予め脳内に投与しておくと、上記のストレス応答が大幅に減弱することも確認され、脳内IL-1がストレス反応のメデイエーターとして必須の役割をもつことが証明された。
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[Publications] H.Kitamura et al.: "Central IL-1 differentially regulates peripheral IL-6 and TNF synthesis." Cell.Mol.Life Sci.54. 282-287 (1998)
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[Publications] A.Terao, et al.: "Interleukin-1 induces slow wave sleep at the prostaglandin D2-sensitive sleep promoting zone in the rat brain" J.Neurosci.18. 6599-6607 (1998)
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[Publications] A.Terao, et al.: "Enhancement of slow wave sleep by tumor necrosis factor-a is mediated by cyclooxygenase-2 in rats." NeuroReport. 9. 3791-3796 (1998)