1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09460134
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
葉原 芳昭 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30142813)
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Keywords | 開口放出 / 膵島B細胞 / 副腎髄質細胞 / カルシウムイオン / 画像解析 / Na^<+ / >Ca^<2+>交換輸送 / G蛋白質 / 細胞死 |
Research Abstract |
細胞外Na^+濃度を増減させ、あるいは特異的阻害薬であるKB-R7943を用いることで、ラットの膵島B細胞において、高濃度ぶどう糖で誘発されるインシュリンの開口放出に、Na^+/Ca^<2+>交換輸送体が密接に関わっていることが示唆された。ラットの膵外分泌腺からのカルバコール刺激による消化酵素の開口放出が、活性酸素による酸化ストレスで阻害されるが、この時同時に細胞内のカルシウムイオン濃度変動が酸化ストレスで阻害されていることを明らかにした。ビタミンCはこの阻害作用を抑制することも認めた。ニコチン刺激による牛の副腎髄質からのカテコールアミンの開口放出は、P物質によって抑制されるが、細胞内のカルシウムイオン濃度変動を指標にとったところ、ニコチン様受容体に対する競合抑制ではなく、ニコチン様受容体のナトリウムイオンチャネルを非競合的に抑制することによることが示唆された。ラット大脳皮質のニューロン及びグリア共培養系を用いて、神経細胞の細胞死に関する研究を引き続き行った。ケージドカルシウムイオノフォアによって神経細胞死が惹起されたことから、細胞内カルシウムイオンホメオスタシスの破綻が、細胞死に一部関係していることが強く示唆された。グルタミン酸負荷による神経細胞死も、カルシウムホメオスタシスの破綻が原因である。マウスの小腸陰窩上皮では、G蛋白質を活性化するフッ素化合物(フッ化アルミニウム)およびATPによって細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇することを明らかにした。 以上の結果、開口放出に細胞内のカルシウムイオン濃度の変動が重要な役割を果たしていることが確認された。それのみならず、酸化ストレスによる開口放出傷害や、グルタミン酸による神経細胞死に、カルシウムホメオスタシスの破綻が強く関与していることが示唆された。
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[Publications] Yoshihashi, K.: "Contribution of Na^+/Ca^<2+>exchanger to glucose-induced[Ca^<2+>]_i increase in rat pancreatic islet"Japanese Journal of Physiology. 49. 71-80 (1999)
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[Publications] Sweiry, J. H.: "Acute oxidative stress modulates secretion and repetitive Ca^<2+> spiking in rat exocrine pancreas"Biochimica Biophysica Acta. 1454. 19-30 (1999)
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[Publications] Suzuki, S.: "Noncompetitive inhibition by substance P of nicotine-induced Ca^<2+>entry in bovine adrenal chromaffin cells"Japanese Journal of Veterinay Research. 47. 3-12 (1999)
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[Publications] 佐藤秀臣: "ニューロン・グリア共培養系におけるニューロン死と細胞内カルシウムホメオスタシス"第14回生体・生理工学シンポジウム論文集. 14. 73-76 (1999)
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[Publications] Satoh, Y.: "Effects of AlF_4^- and ATP on intracellular calcium dynamics of crypt epithelial cells in mouse small intestine"Cell and Tissue Research. 298. 295-305 (1999)