1997 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠子宮におけるサイトカインの役割に関する生殖免疫学的研究
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09460141
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
木曽 康郎 山口大学, 農学部, 助教授 (10142374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 利也 大阪府立大学, 農学部, 助手 (00169111)
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Keywords | 子宮NK細胞 / 顆粒性間膜腺細胞 / IL-2レセプター / 細胞外基質レセプター / 免疫不全マウス / アポトーシス / Fas抗原 / TNF-α |
Research Abstract |
妊娠期の子宮に有意な細胞集団として認められる顆粒性間膜腺(GMG)細胞、子宮NK細胞、は胎盤形成に不可欠であることが示唆されている。GMG細胞は骨髄由来であり、プロジェステロンやエストロージェンの影響を受けるが、胎子からの影響を受けず、子宮内膜の脱落膜化反応に伴って分化する。これまでにサイトカインとGMG細胞との関連について以下の点を明らかにした。(1)胚着床に必要不可欠な白血病阻止因子(LIF)を産生していた。IL-1およびCSF-1(M-CSF)も産生していた。(2)1L-2レセプターのα,β,γ-鎖のいずれも持っているが、IL-2に対する感受性はきわめて低かった。(3)前駆細胞は細胞外基質レセプターを有するが、その成熟につれてラミニンとコーラゲンレセプターが喪失した。(4)その走化性は細胞外基質の存在と緊密な関係を有する。(5)リンパ組織微小環境に免疫不全の原因を有するaly/alyマウスでは、GMG細胞の分化は、間膜腺の発達に影響を与える結合組織の不全により、遅延した。特にICAM-2との関連が示唆される。(6)胎盤完成期以後は妊娠子宮内の腫瘍壊死因子(TNF)-α濃度が増加した。一方、この時期にGMG細胞はアポトーシス様変化を見せた。(7)遺伝的にFas抗原を欠損しているMRL/Mpj-lpr/lpr(lpr)マウスでは、妊娠16日でも明瞭に存在し形態的に顆粒の異型化は見られたが、典型的なアポトーシス像は見せなかった。(8)GMG細胞のFas抗原は胎盤形成期に発現せず、その完成期以後に発現した。(9)培養GMG細胞へのFasリガンド添加は細胞にアポトーシスを誘導した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kiso Y. 他5名: "Isolation of granulated metrial gland cells, a uterine form of natural killer cell, by magnctic immunobeads/particles." J.Reprod,Dev.44. 107-111 (1998)
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[Publications] Kiso Y, 他1名: "Some aspects of granulated metrial gland cells found at the Seto-maternal interface during successful pregnancy." Reproductive Bidogy Update(Miyamoto H,Manabe N.esd). 327-336 (1998)
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[Publications] Kiso Y. 他5名: "A study of granulated metrial gland cells in the pregnant,alymphoplasia (aly/aly) mice." J.Vet.Med.Sci.59. 1137-1141 (1997)
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[Publications] Tsukamoto Y, 他8名: "Gicerin, a cell adhesion molecule, participates in the histogenesls of retina." J.Neurobiol.33. 769-780 (1997)
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[Publications] Kiso Y. 他3名: "An NK cell subset found in the pregnant murine uterus." JSIR. 7-8 (1997)
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[Publications] Croy B.A. 他5名: "Charcterization of the cells that migiate 510m metrial glands of the pregnant mouse uterus during explant culture." J.Reprod,Immunol.32. 241-263 (1997)